LAN・物理層

NIC(ネットワークインターフェースカード) にっく(ねっとわーくいんたーふぇーすかーど)

ネットワークアダプターMACアドレスイーサネットLANカード物理層ドライバー
NICって何?ネットワークに関係あるの?

簡単に言うとこんな感じ!

NICはパソコンやサーバーが「ネットワークに参加するための窓口」だよ!LANケーブルを差すあのポートの奥に入ってる部品で、これがないとどんなに高性能なPCでもネットに繋げないんだ。Wi-Fiアダプターもこの仲間だよ!


NICとは

NIC(Network Interface Card) は、コンピューターをネットワークに物理的・論理的に接続するためのハードウェア部品です。「ネットワークアダプター」「LANカード」「ネットワークカード」とも呼ばれます。デスクトップPCの拡張スロットに差し込むカード型が語源ですが、現在はノートPCやスマートフォン向けにマザーボードへ直接組み込まれている(オンボードNIC)のが主流です。

NICの役割は大きく2つあります。まず、コンピューター内部のデジタルデータをネットワーク上で送受信できる電気信号・光信号・電波に変換することです。次に、ネットワーク上で自分自身を識別するための固有番号「MACアドレス」を持ち、宛先の判別を行うことです。MACアドレスはNICごとに世界で唯一の値が割り当てられており、製造時にROMに焼き付けられています。

ビジネスの現場では、PCやサーバーに複数のNICを搭載して回線を冗長化する「チーミング(ボンディング)」や、サーバーを仮想的に複数のネットワークに接続する「VLAN対応NIC」なども広く使われています。


NICの構造と主な機能

機能内容
信号変換デジタルデータ ↔ 電気信号(有線)/ 電波(無線)に変換
MACアドレス管理自分と相手を識別する48ビットの固有アドレスを保持
フレームの組み立て・分解データをイーサネットフレーム単位で送受信
エラー検出CRC(巡回冗長検査)でデータ破損を検出
速度・通信モード交渉オートネゴシエーションで対向機器と速度を自動合わせ
オフロード処理チェックサム計算などをCPUの代わりに処理して負荷軽減

覚え方:NICは「名刺を持った翻訳者」

NICを覚えるコツは 「名刺を持った翻訳者」 というイメージです。

  • 名刺 = MACアドレス(ネットワーク上の自分の名前・住所)
  • 翻訳者 = デジタル信号 ↔ 物理信号の変換役

「ニック(NIC)は名刺を持った翻訳者」と覚えると、MACアドレスと変換機能の両方が頭に入ります!

NICの種類と規格

種類主な規格速度の目安用途
有線(銅線)1000BASE-T(GbE)1 Gbps一般オフィスPC
有線(銅線)10GBASE-T10 Gbpsサーバー・基幹ネットワーク
有線(光)10GBASE-SR/LR10 Gbps〜データセンター間
無線(Wi-Fi)IEEE 802.11ac/ax数百Mbps〜数GbpsノートPC・スマホ
仮想NIC(vNIC)ハイパーバイザー依存仮想環境内VM・クラウド

歴史と背景

  • 1970年代後半:イーサネットの誕生とともに、PCをネットワークに繋ぐための拡張カードとしてNICが登場。当初は高価な別売りオプションだった
  • 1980年代:IBM PCの普及に合わせてISAバス対応のNICが広まる。3Com社が10Mbpsイーサネットカードを普及させた
  • 1990年代:PCIバスの登場でNICが高速化・低価格化。10BASE-Tから100BASE-TX(Fast Ethernet)へ移行
  • 2000年代初頭:マザーボードへのオンボード統合が標準化。別途NICを購入する必要がほぼなくなる。ギガビットイーサネット(1 Gbps)が主流へ
  • 2010年代:10GbE NICがサーバー市場で普及。Wi-Fi内蔵のオンボード無線NICがノートPCの標準装備に
  • 2020年代:クラウド・仮想化の普及により仮想NIC(vNIC) が重要性を増す。データセンターでは25GbE・100GbE対応NICも登場

NICとOSIモデルの関係

NICはOSI参照モデル第1層(物理層)と第2層(データリンク層) を担当します。レイヤーごとの役割分担を図で確認しましょう。

OSIモデル(7層) 第7層 アプリケーション層 第6層 プレゼンテーション層 第5層 セッション層 第4層 トランスポート層 第3層 ネットワーク層 第2層 データリンク層 ◀ 第1層 物理層 ◀ NICの担当範囲 (OSより上の層は OSやアプリが担当) MACアドレス管理 フレームの組み立て・分解 信号変換(電気/光/電波) ケーブル・コネクタ制御

有線NIC vs 無線NIC(ビジネス選定ポイント)

比較項目有線NIC無線NIC(Wi-Fi)
速度・安定性◎ 安定・高速△ 電波状況に依存
遅延◎ 低遅延△ やや高遅延
設置の柔軟性△ ケーブル配線必要◎ ケーブル不要
セキュリティ◎ 盗聴リスク暗号化設定が重要
主な用途サーバー・デスクトップノートPC・モバイル

関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
IEEE 802.3有線イーサネットの基本規格。NICの物理層・データリンク層の動作を定義
IEEE 802.11無線LAN(Wi-Fi)の規格。無線NICの動作を規定
RFC 7042MACアドレスの管理・利用に関するガイドライン
RFC 826ARP(アドレス解決プロトコル)。IPアドレスからMACアドレスを解決する仕組み

関連用語

  • MACアドレス — NICに割り当てられた世界唯一の48ビット識別番号
  • イーサネット — 有線LANの代表的な通信規格。NICが実装する物理・データリンク層の標準
  • OSI参照モデル — ネットワーク通信を7つの層に分類したモデル。NICは第1・2層を担当
  • MACアドレス — NICが持つ物理アドレス。スイッチングハブがフレーム転送に使用
  • スイッチングハブ — MACアドレスを学習してフレームを転送するLAN機器
  • IPアドレス — ネットワーク層の論理アドレス。NICのMACアドレスとARPで対応付けられる
  • ドライバー — OSがNICを制御するためのソフトウェア。NICの動作に必須
  • VLAN — 物理的なLANを論理的に分割する技術。対応NICが必要