LAN・物理層

全二重・半二重通信 ぜんにじゅう・はんにじゅうつうしん

全二重半二重二重通信EthernetCSMA/CD衝突
全二重・半二重通信について教えて

簡単に言うとこんな感じ!

全二重は「電話」、半二重は「トランシーバー(無線機)」のイメージだよ。電話は同時に話せるけど、トランシーバーは「どうぞ」って言ってから話すでしょ?それと同じ考え方がネットワークにもあるんだ!


全二重・半二重通信とは

全二重(Full Duplex)通信とは、送信と受信を同時に行える通信方式です。現代のEthernetスイッチとNICの接続はほぼすべて全二重で動作しており、データを双方向に同時に流せます。電話が典型例で、話しながら相手の声を同時に聞けます。

**半二重(Half Duplex)通信とは、送信と受信が交互にしか行えない通信方式です。同じ伝送路を共有するため、どちらか一方しか送信できません。複数の機器が同時に送信しようとすると衝突(コリジョン)**が発生するため、CSMA/CDという制御方式で調停が行われます。トランシーバーや古いハブ接続のEthernetが代表例です。

現代のネットワークでは、スイッチを使った全二重Ethernetが標準です。ハブが主流だった時代は半二重が多かったですが、1990年代後半からスイッチが普及し、衝突問題はほぼ解消されました。


比較表

項目全二重(Full Duplex)半二重(Half Duplex)
同時送受信可能不可(交互のみ)
衝突発生しない発生する可能性あり
CSMA/CD不要必要
帯域効率高い低い(衝突時の再送ロスあり)
代表例スイッチ接続Ethernet, 電話旧来のハブ接続, Wi-Fi, トランシーバー

歴史と背景

  • 1970年代:Ethernetが半二重CSMA/CDで誕生
  • 1980年代:10BASE-T登場。ハブを使った半二重ネットワークが普及
  • 1990年代前半:スイッチの登場で全二重通信が実用化
  • 1997年:IEEE 802.3xで全二重EthernetとFLOW CONTROLが標準化
  • 現在:ほぼすべてのEthernet接続が全二重。Wi-Fiは物理層の特性上、半二重に近い動作

CSMA/CDの仕組み(半二重時)

CSMA/CD の動作フロー(半二重) ① 送信前に伝送路を監視(Carrier Sense) ② 誰も送信していなければ送信開始(Multiple Access) ③ 送信中も衝突を検出(Collision Detection) ④ 衝突検出 → JAM信号送信 → ランダム時間待機 → 再送

CSMA/CDは「送る前に聞いて、衝突したらランダム待機」というシンプルなルールです。スイッチ普及後の全二重環境では使われなくなりました。


Wi-Fiと半二重

Wi-Fi(無線LAN)は無線の特性から同じ電波を共有するため、実質的に半二重に近い動作をします。有線のCSMA/CDに対し、Wi-FiではCSMA/CA(Collision Avoidance:衝突回避)が使われます。送信前にランダム時間待機して衝突を「回避」しようとする点が特徴です。


関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
IEEE 802.3x全二重EthernetとFLOW CONTROLの標準仕様
IEEE 802.3Ethernet CSMA/CDの基本仕様
IEEE 802.11Wi-Fi(CSMA/CA)

関連用語