スイッチング

MACアドレステーブル まっくあどれすてーぶる

MACアドレススイッチフレーム転送ポート学習フラッディングブリッジテーブル
MACアドレステーブルについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

スイッチが「どのポートにどの機器がつながっているか」を覚えておく住所録みたいなものだよ!これがあるから、スイッチは届いたデータを必要なポートだけに送れるんだ。なければ全部屋に叫ぶ羽目になっちゃう!


MACアドレステーブルとは

MACアドレステーブルとは、ネットワークスイッチが持つ対応表のことで、「どのMACアドレスを持つ機器が、どのポートに接続されているか」を記録したデータベースです。スイッチはこの表を参照することで、受け取ったフレーム(データの塊)を適切なポートだけに転送できます。

MACアドレスとは、ネットワーク機器(PCやスマートフォン、プリンターなど)のネットワークカードに製造時から割り当てられた固有の識別番号です(例:00:1A:2B:3C:4D:5E)。スイッチはこの番号を手がかりに「このデータは何番ポートに転送すればいい」と判断します。

MACアドレステーブルがないと、スイッチは届いたフレームをすべてのポートに一斉送信(フラッディング)するしかなく、ネットワーク全体の負荷が増大します。MACアドレステーブルはネットワークを効率的に動かすための、スイッチの「頭脳」とも言えます。


仕組みと動作フロー

MACアドレステーブルは、スイッチが自動的に学習・更新します。この一連の動作を理解することが、スイッチングの基本です。

フェーズ動作説明
学習(Learning)送信元を記録フレームを受け取ると、送信元MACアドレスと受信ポート番号を表に登録する
転送(Forwarding)宛先ポートへ送信宛先MACアドレスが表に存在すれば、対応するポートだけに転送する
フラッディング(Flooding)全ポートへ一斉送信宛先MACアドレスが表に存在しない場合、全ポートに送信して反応を待つ
エージング(Aging)古い情報を削除一定時間(デフォルト300秒)通信がなければその記録を削除する

覚え方:「学習→確認→転送→忘却」の4ステップ

スイッチの動きは「学ぶ・調べる・送る・忘れる」のサイクル。人間の記憶と同じで、使われなくなった情報は自動的に消えていきます(エージング)。このおかげでネットワーク構成が変わっても表が古いまま残り続けることを防げます。

テーブルの中身のイメージ

+-------------------+---------+--------+
| MACアドレス       | ポート  | 経過秒 |
+-------------------+---------+--------+
| 00:1A:2B:3C:4D:5E | Port 1  |  120秒 |
| 11:22:33:44:55:66 | Port 3  |   45秒 |
| AA:BB:CC:DD:EE:FF | Port 5  |  280秒 |
+-------------------+---------+--------+
   ↑ 300秒を超えると自動削除(エージング)

歴史と背景

  • 1980年代初頭:初期のネットワーク機器は「ハブ」が主流。ハブはすべてのポートに一斉送信するだけで、転送の判断機能を持たなかった
  • 1990年代:「ブリッジ」という機器が登場し、2ポート間でMACアドレスを学習して転送を効率化。MACアドレステーブルの原型となる「ブリッジテーブル」が誕生
  • 1990年代後半:多ポートのブリッジとしてスイッチングハブ(スイッチ)が普及。MACアドレステーブルの仕組みがそのままスイッチに継承された
  • 現在:企業ネットワークではハブはほぼ絶滅し、スイッチが標準。MACアドレステーブルはVLANごとに管理されるなど、より高度な機能を持つようになった

スイッチとハブの違い:MACアドレステーブルがあるかどうか

MACアドレステーブルの有無が、スイッチとハブの最大の違いです。

スイッチ vs ハブ:MACアドレステーブルの有無 スイッチ(Switch) MACアドレステーブルあり 送信元ポートを学習・記憶 ✔ 宛先ポートにのみ転送 ✔ 他ポートには送らない ✔ 帯域を有効活用 ✔ セキュリティが高い 現在のオフィスネットワークの標準 ハブ(Hub) MACアドレステーブルなし 誰がどこにいるか把握しない ✘ 全ポートに一斉送信 ✘ 無関係な機器にも届く ✘ 帯域が無駄になる ✘ 盗聴リスクがある 現在はほぼ使われない旧世代機器 比較

フラッディングが起きる3つのケース

スイッチでも以下の場合はフラッディングが発生します。これは正常な動作ですが、過剰になるとネットワーク負荷の原因になります。

ケース説明
宛先不明MACアドレステーブルに宛先が登録されていないとき
ブロードキャスト宛先がFF:FF:FF:FF:FF:FF(全員宛)のフレーム
マルチキャスト特定グループ全員宛のフレーム(設定によって異なる)

関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
IEEE 802.1Dスパニングツリープロトコル(STP)を含むブリッジング全般の規格。MACアドレステーブルの動作基盤
IEEE 802.1QVLANタギングの規格。VLANごとにMACアドレステーブルを分離管理する仕組みを定義
RFC 7048Neighbor Unreachability Detection(NUD)に関連するMACアドレス解決の挙動について

関連用語