開発・設計

セキュリティ要件定義 せきゅりてぃようけんていぎ

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セキュリティ要件定義について教えて

簡単に言うとこんな感じ!

セキュリティ要件定義は「このシステムをどれだけ安全に作るか・守るかをあらかじめ決めること」だよ。家を建てるときに「鍵はどこに付けるか・防犯カメラは必要か・塀の高さは」を最初に決めるイメージ。セキュリティは後付けで対策するより、最初から設計に組み込んだ方がコストが圧倒的に安くなるんだ。「とりあえず動けばいい」で作ったシステムが後で情報漏洩を起こして大問題になるケースは本当に多いよ!


セキュリティ要件定義とは

セキュリティ要件定義とは、システム開発・調達の初期段階で、「このシステムをどのようなセキュリティ機能・対策を実装して作るか」を明確化する作業のことです。通常の「業務要件(何ができるか)」と同様に、セキュリティ要件も要件定義書の重要な構成要素として文書化されます。

セキュリティ要件を早期に定義することが重要な理由は「設計変更コストの法則」と呼ばれる考え方で説明できます。開発後期にセキュリティ問題が発見されると修正コストは要件定義時の100倍以上になると言われています。特に本番稼働後の情報漏洩事故は、修正コストだけでなく損害賠償・信用毀損など甚大な被害につながります。

発注者がセキュリティ要件定義で意識すべき点は、「このシステムで何のデータをどのように扱うか」から逆算することです。個人情報を扱うなら個人情報保護法への対応、決済情報を扱うならPCI-DSS準拠、医療情報なら医療ガイドラインへの準拠など、取り扱うデータの性質によって必要なセキュリティ要件が決まります。


セキュリティ要件の主要カテゴリ

カテゴリ要件の例
認証認可パスワード強度・多要素認証MFA)・シングルサインオンSSO
アクセス制御最小権限の原則・役割ベースアクセス制御(RBAC)・IP制限
データ保護保存時の暗号化・通信の暗号化(TLS/HTTPS)・個人情報の仮名化
ログ・監査証跡アクセスログ・操作ログ・改ざん防止・保管期間
脆弱性対策OWASP Top 10対策・SQLインジェクション対策・定期的な脆弱性診断
バックアップ復旧バックアップ頻度・保管期間・復旧テスト・RTO/RPO
ネットワークセキュリティファイアウォールWAF・DDoS対策・ネットワーク分離
物理セキュリティデータセンターの物理アクセス制限・媒体の廃棄方法
インシデント対応漏洩検知・通知手順・フォレンジック対応

セキュリティ要件のレベル分け

レベル対象データ例求められる対策の目安
公開情報・社内一般業務データ基本的な認証・ログ管理
社内機密情報・顧客情報(一般)MFA・暗号化・アクセスログ・脆弱性診断年1回
個人情報・財務データ・機密情報高度な暗号化・WAF・ペネトレーションテスト
最高医療情報・決済情報・国家機密厳格な監査・法的コンプライアンス対応・24h監視

歴史と背景

  • 1996年:ISO/IEC 15408(Common Criteria:情報技術セキュリティ評価基準)が制定。セキュリティ要件の評価フレームワークが標準化される
  • 2000年代:ウェブアプリケーション脆弱性の多発(SQLインジェクション・XSSなど)を受け、OWASPが「Top 10脆弱性リスト」を発表(2003年〜)
  • 2013年:ISO/IEC 27001:2013改訂。情報セキュリティマネジメントの要件が更新され、セキュリティ要件定義への参照基準として普及
  • 2016年:NIST「サイバーセキュリティフレームワーク(CSF)」が日本語訳され普及。特定→防御→検知→対応→復旧の5機能でセキュリティ要件を整理する手法が一般化
  • 2018年GDPR施行で「プライバシー・バイ・デザイン」が法的要件に。設計段階からのセキュリティ・プライバシー対応が義務化される
  • 2022年:METI「情報セキュリティサービス基準」「情報システム・ソフトウェア取引トラブル事例集」でセキュリティ要件の発注者責任が明記

セキュリティ要件定義の位置づけ

セキュリティを設計段階から組み込む重要性 要件定義時 に発見・対策 1倍 コスト最小 ・設計変更のみ 開発中 に発見・対策 10倍 ・コード修正 ・テスト再実施 テスト後 に発見・対策 30倍 ・全体的な 再テストが必要 本番稼働後 に事故発生 100倍+ ・損害賠償 ・信用失墜 ・サービス停止 セキュアバイデザイン:設計の最初からセキュリティを組み込む

関連する規格・RFC

規格・標準内容
ISO/IEC 27001情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準
NIST Cybersecurity Framework(CSF)特定・防御・検知・対応・復旧の5機能でセキュリティを整理
OWASP Top 10Webアプリケーションの重大セキュリティリスクの最新リスト
PCI-DSSクレジットカード情報を扱うシステムのセキュリティ基準
経産省「情報セキュリティサービス基準」ITサービスのセキュリティ評価基準(国内)
FISC安全対策基準金融機関のシステムセキュリティ基準

関連用語