ゼロトラスト・SASE

Cloudflare One くらうどふれあわん

ゼロトラストSASEZTNAセキュアWebゲートウェイクラウドセキュリティネットワークアクセス制御
Cloudflare Oneについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

Cloudflare Oneは、「社内ネットワークへの入口をひとつにまとめて、全部クラウドで守る」仕組みだよ。VPNを使わなくても、誰がどこから使っているかを常に確認しながら安全にアクセスできるサービスなんだ!


Cloudflare Oneとは

Cloudflare Oneは、Cloudflare社が提供する**ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNASASE(Secure Access Service Edge)を統合したクラウドサービスです。従来の「社内ネットワークに入ってしまえば何でも使える」という考え方を根本から変え、「常に確認・常に最小限の権限」**を原則にアクセス制御を行います。

リモートワークの普及やクラウドシフトが進む現代では、社員が会社の外から業務システムにアクセスする場面が日常化しました。Cloudflare Oneはそうした環境に対応するため、VPNの代替として社内リソースへの安全な接続を実現しつつ、Webフィルタリング・メール保護・データ漏洩防止(DLP)などのセキュリティ機能を一元的に提供します。

特徴は、Cloudflareが世界中に展開するエッジネットワーク(300以上の拠点)の上に構築されている点です。ユーザーは最寄りのCloudflareのポイントに接続してから目的のリソースに到達するため、セキュリティチェックを通しながらも高速で快適な通信が維持されます。


Cloudflare Oneの主要コンポーネント

Cloudflare Oneは複数のセキュリティ機能をまとめたプラットフォームです。それぞれの役割を整理しましょう。

コンポーネント正式名称主な役割
ZTNACloudflare Accessアプリケーションごとにアクセス可否を制御。VPNの代わりに使う
SWGCloudflare Gateway悪意あるWebサイトへのアクセスをブロック。DNSフィルタリングも含む
CASBCloudflare CASBSaaSアプリ(Google Workspace・Microsoft 365等)の設定ミスや不審操作を検知
DLPData Loss Prevention機密データが外部に漏れないよう通信内容を検査
RBIRemote Browser Isolationブラウザをクラウド上で動かし、端末への感染リスクをゼロにする
Magic WANMagic WAN拠点間のネットワークをCloudflare経由で安全に接続。SD-WANの代替
Email SecurityArea 1 (Cloudflare Email Security)フィッシングメールや悪意ある添付ファイルを事前にブロック

覚え方:「玄関・廊下・部屋」で考える

Cloudflare Oneの構造は、オフィスビルのセキュリティに例えると分かりやすいです。

【ユーザー(社員・外部)】

  ┌──────────────────────────┐
  │ 玄関(Cloudflare Access)  │ ← 誰が入れるかIDチェック
  └──────────────────────────┘

  ┌──────────────────────────┐
  │ 廊下(Gateway / DLP)      │ ← 何を持ち込む・持ち出すかチェック
  └──────────────────────────┘

  ┌──────────────────────────┐
  │ 部屋(業務アプリ・社内DB)  │ ← 許可されたものだけアクセス可
  └──────────────────────────┘

従来型VPNとの違い

比較項目従来型VPNCloudflare One
アクセス制御の単位ネットワーク全体アプリケーション単位
信頼の前提社内に入れば信頼常に検証(ゼロトラスト)
接続の速度集中拠点経由で遅くなりがち最寄りエッジ経由で高速
管理の複雑さVPN装置・ライセンス管理が必要クラウドで一元管理
対応デバイス専用クライアントが必要なこともブラウザのみで利用可能なケースも

歴史と背景

  • 2010年代前半:Cloudflareは主にCDN(コンテンツ配信)・DDoS対策サービスとして普及。企業のWebサイト保護が主な用途だった
  • 2017年頃:企業向けのアクセス制御ニーズが高まり、Cloudflare Access(ZTNAの前身)の開発が始まる
  • 2019年:Cloudflare AccessおよびCloudflare Gatewayが正式リリース。「ゼロトラスト」という言葉が業界で急速に広まった時期と重なる
  • 2020年Cloudflare Oneという統合ブランドを発表。SASEのコンセプトに沿って各機能を一つのプラットフォームとして提供開始
  • 2020年:個人・小規模チーム向けのZero Trustプラン(無料枠)を提供開始し、中小企業・スタートアップへの普及が加速
  • 2022年フィッシングメール対策Area 1(現Cloudflare Email Security)を買収・統合
  • 2023年〜現在:AI機能との統合・SASE市場でZscalerやPalo Alto Networksと競合する存在として急成長中

Cloudflare OneとSASEの関係

SASE(サシー:Secure Access Service Edge)とは、ネットワークとセキュリティを一体化してクラウドから提供するアーキテクチャの考え方です。Cloudflare Oneはそのリファレンス実装の一つです。

Cloudflare One と SASE の対応関係 SASE の構成要素(概念) ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス) SWG(セキュアWebゲートウェイ) CASB(クラウドアクセスセキュリティ) FWaaS(クラウドファイアウォール) SD-WAN(拠点間接続) DLP(データ漏洩防止) Cloudflare One の対応機能 Cloudflare Access Cloudflare Gateway Cloudflare CASB Magic Firewall Magic WAN DLP / RBI 点線:SASEの概念とCloudflare One機能の対応

競合サービスとの比較

サービス提供会社特徴
Cloudflare OneCloudflareエッジネットワーク活用で高速。無料枠あり
Zscaler Zero Trust ExchangeZscalerエンタープライズ向け老舗。大企業導入実績が豊富
Prisma AccessPalo Alto Networks既存のPANファイアウォールとの統合が強み
Microsoft Entra + DefenderMicrosoftMicrosoft 365環境との親和性が高い
NetskopeNetskopeCASB・DLP機能が特に強い

関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
RFC 8446TLS 1.3。Cloudflare Oneの通信暗号化の基盤プロトコル
RFC 9000QUIC。Cloudflareのエッジ通信高速化に採用されているプロトコル
RFC 7519JWT(JSON Web Token)。Cloudflare Accessのアクセス認証トークンに使用
RFC 6749OAuth 2.0。Cloudflare AccessのIDプロバイダー連携の基盤

関連用語

  • ゼロトラスト — 「社内ネットワークも信頼しない」という現代セキュリティの基本思想
  • SASE — ネットワークとセキュリティをクラウドから一体提供するアーキテクチャの概念
  • ZTNA — ゼロトラストの考え方に基づいたネットワークアクセス制御の仕組み
  • VPN — 仮想プライベートネットワーク。Cloudflare Oneが代替を目指す従来技術
  • SWG(セキュアWebゲートウェイ) — 社員のWebアクセスを監視・フィルタリングするセキュリティ機能
  • CASB — クラウドサービスの利用状況を監視・制御するセキュリティ機能
  • DLP(データ漏洩防止) — 機密データの外部流出を検知・防止する仕組み
  • CDN — コンテンツ配信ネットワーク。Cloudflareの原点であり、Cloudflare Oneの高速性を支える基盤