「成果が出ているかわからない」の原因はゴール未設定

「ホームページを作ったけど、何か効果はあるんだろうか」——この疑問を持つ中小企業の経営者・担当者は非常に多いです。そしてその多くが「成果の定義」を最初に設定していないという共通点を持っています。

成果を定義しなければ、改善の優先順位も判断できず、何を改善すれば良くなるかもわかりません。ゴール設定はホームページ運用の「基盤」であり、すべての改善施策はここから始まります。


課題の背景:「なんとなく運用」が生まれる理由

問題1:「ページビューが目標」になっている

アクセス数(ページビュー)を唯一の指標にしているサイトは多いですが、アクセス数が増えても問い合わせが増えなければビジネス上の成果にはなりません。アクセス数はゴールへの途中指標(KPI)であり、最終的なゴールではないことを認識することが重要です。

問題2:複数のゴールが混在していて優先順位がない

「問い合わせも増やしたい」「資料請求も増やしたい」「予約も増やしたい」「SNSフォロワーも増やしたい」という複数の目標が混在していると、リソースが分散してどれも中途半端になります。

問題3:定量的な数字が設定されていない

「問い合わせを増やしたい」という方向性は決まっていても「月何件にしたい」という数字が設定されていないと、達成したかどうかを判断できず、改善の優先度もつけられません。


解決策:ゴール設定の考え方

フレームワーク:最終ゴール→中間KPI→行動指標

ゴールは3段階で設計します。

最終ゴール(Final Goal)
事業目標に直結する数字。「月10件の成約」「年間売上○円増加」「来店数○人増」

中間KPI(Key Performance Indicator)
最終ゴールの前段階となる指標。「月20件の問い合わせ」「月100件の資料請求」「月500件の予約確認ページ閲覧」

行動指標(Micro Conversion)
中間KPIに向けた行動の数字。「サービスページ閲覧数」「CTAクリック数」「フォームページ到達数」

3段階のゴール設定 最終ゴール 月10件の成約・売上○円増加 中間KPI:月20件の問い合わせ ←より少ない (難易度高) ←より多い (難易度低)

業種別のゴール設定例

業種最終ゴール中間KPI行動指標
飲食店月来店者数○人月予約件数○件予約ページ到達率
美容室月新規来店○人月問い合わせ・予約○件メニューページ閲覧数
士業月成約○件月相談申込み○件無料相談CTA クリック率
EC月売上○万円月購入件数○件カート追加数
建設・リフォーム月見積り○件月相談問い合わせ○件施工事例ページ閲覧数

SMART原則でゴールを設定する

漠然としたゴールは達成できません。SMARTの5要素を満たすゴール設定が有効です。

  • S(Specific・具体的):「問い合わせを増やす」→「フォームからの問い合わせを増やす」
  • M(Measurable・計測可能):「月15件」という数字
  • A(Achievable・達成可能):現状月5件なら、まず月10件を目指す
  • R(Relevant・関連性):事業の売上目標と連動している
  • T(Time-bound・期限):「3ヶ月以内に」という期限

例:SMART なゴール設定
「2026年7月末までに、サービスページ経由のフォーム問い合わせを月5件から月12件に増やす」


Googleアナリティクスでゴールを計測する

GA4でのコンバージョン設定

ゴールが決まったら、それをGoogleアナリティクス4(GA4)で計測できるように設定します。最もシンプルな方法は「フォーム送信後のサンクスページ到達」をコンバージョンとして登録することです。

  1. GA4の「設定」→「イベント」→「コンバージョンとしてマーク」
  2. フォーム送信完了を表すイベント(generate_leadform_submit)をコンバージョンに設定

または、Google Tag Managerを使って「特定のページ到達」をイベントとして設定するとより柔軟です。

中間KPIも計測する

最終ゴール(フォーム送信)だけでなく、中間KPI(CTAクリック・フォームページ到達)も計測することで、どのステップに問題があるかが明確になります。

例:

  • サービスページ → CTAクリック率が低い → CTAの設計を改善
  • CTAクリック → フォームページ到達 → リダイレクトや遷移に問題がある
  • フォームページ → 送信完了 → フォームの設計を改善

業種別アドバイス

飲食店

「予約件数」と「テイクアウト注文件数」を別々にゴール設定することで、どちらのサービスをサイトで強化すべきかが明確になります。季節・曜日ごとの変化も追うと、キャンペーン効果の測定にも使えます。

美容室

「新規予約」と「リピート予約」を分けてゴール設定します。新規予約はWebからの問い合わせ、リピートはLINEや電話からが多い傾向があるため、集計方法を事前に整理します。

士業(税理士・行政書士)

「相談申込み件数」と「相談後の成約率」を両方管理します。問い合わせは多いが成約が少ない場合は「ミスマッチ」(求めているサービスが違う)の可能性があり、ページのターゲティングを見直すサインです。

EC・物販

「商品購入数」「カート追加数」「購入完了率(カート追加→購入の割合)」を段階的に設定します。購入完了率が低い場合はカートの離脱原因(送料・配送日数・決済方法)を見直します。


ビフォーアフター事例:神戸市中央区のリフォーム会社

Before(ゴール未設定)

  • 月間アクセス:約2,000件
  • 「アクセスがあるのに問い合わせが少ない気がする」と感じているが何も計測していない
  • 月間問い合わせ:体感で3〜5件(正確な数字不明)

After(ゴール設定+GA4でのコンバージョン計測)

  • ゴール設定:「3ヶ月以内に月間フォーム問い合わせを月5件から月12件に増やす」
  • GA4にサンクスページのコンバージョンを設定
  • 月1回のデータ確認日を決め、数字の変化を追う
  • ヒートマップでフォームページの離脱箇所を特定→フォームを5項目に削減
  • 3ヶ月後:月間問い合わせ:5件→11件(2.2倍)

ゴールを決め、計測を始めたことで改善の優先度が明確になり、無駄な施策をせずに効果的な改善ができました。


まとめ

ゴール設定はホームページ改善の「土台」です。これがなければ「何を改善すべきか」がわからず、施策の効果も判断できません。

ゴール設定の3ステップ:

  1. 最終ゴールを事業目標と連動させて決める(月○件の成約・来店・売上)
  2. 中間KPIを設定する(問い合わせ件数・フォーム送信数など)
  3. GA4でコンバージョン計測を設定するして数字を追い始める

まず「今月、フォームから何件問い合わせが来たか」を正確に把握することから始めてください。計測なくして改善はありません。