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ARMインスタンス あーむいんすたんす

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ARMインスタンスについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

スマホやApple MacBookにも使われているARM系CPUを使ったクラウドインスタンスのこと。x86(Intel/AMD)より消費電力が少なくて同じコストで性能が出やすい。AWSのGraviton、OracleのAmpereが有名だよ。


ARMインスタンスとは

ARMインスタンスとは、ARM(Advanced RISC Machines)アーキテクチャのCPUを搭載したクラウドの仮想マシンです。従来のサーバー市場ではIntel XeonやAMD EPYCなどのx86系CPUが主流でしたが、ARMの省電力・高コアあたり性能・低コストという特性がクラウドでも注目されるようになりました。

クラウドでのARMインスタンスといえばAWSのGraviton(グラビトン)が有名で、x86インスタンスと比べて最大40%コスト削減または同コストでの性能向上が期待できます。GCPはT2Aシリーズ(Ampere Altraベース)、AzureはAmpere AltraベースのVMを提供しています。

注意点として、ARMとx86はCPUの命令セットが異なるため、ソフトウェアのARM対応(コンパイルや動作確認)が必要です。主要なLinuxディストリビューションやDockerイメージは現在ほとんどARMに対応していますが、古いバイナリやサードパーティ製品は対応していない場合があります。


主要ARMインスタンスの比較

クラウドCPUインスタンス例コスト比(x86比)
AWSGraviton3(自社設計)c7g, m7g, r7g約20〜40%安
GCPAmpere Altrat2a-standard約20%安
AzureAmpere AltraDpsv5シリーズ約20%安
Oracle CloudAmpere AltraA1 Compute最大80%安(無料枠も豊富)

x86 vs ARM の特性比較

項目x86(Intel/AMD)ARM
命令セットCISC(複雑命令セット)RISC(縮小命令セット)
消費電力
コア数(同価格帯)
ソフトウェア互換性非常に高い要確認(増加中)
コスト効率標準高い
主な採用先サーバー全般スマホ・Mac・クラウドで増加

歴史と背景

ARMはもともとRISC Machinesがアクソン社向けに設計した1985年のプロセッサに遡りますが、1990年代以降にスマートフォン向けSoCとして圧倒的普及を遂げました。

2018年にAWSが独自設計のGravitonプロセッサを発表し、2019年のGraviton2で「x86と同等以上の性能をより低コストで」を実証しました。2020年にAppleがMacにARMを採用(M1チップ)したことでARMの可能性が広く認知され、開発ツールのARM対応も急速に進みました。2021年のGraviton3では前世代比25%の性能改善を達成しています。


ARM対応確認のチェックリスト

ARMインスタンス移行チェックリスト 確認必要事項 ✓ Dockerイメージのlinux/arm64対応 ✓ 使用ライブラリのARM対応確認 ✓ サードパーティ製バイナリの対応 ✓ JVMのARMビルド(Javaなど) ✓ 性能テスト(ワークロード依存) ARM移行に適したワークロード ◎ コンテナ化されたWebアプリ ◎ Java/Python/Go/Rustアプリ ◎ CI/CDビルドサーバー △ 古いC/C++バイナリ(再コンパイル必要) ✕ ARM非対応のISVソフトウェア

関連する規格・RFC

規格内容
ARM Architecture Reference ManualARM命令セットの仕様
AArch64(ARM64)64bit ARMアーキテクチャの正式名称
SBSA(Server Base System Architecture)サーバー向けARMプラットフォーム標準

関連用語