スイッチング

LLDP(Link Layer Discovery Protocol) えるえるでぃーぴー

ネットワーク探索CDPトポロジーMIBスイッチネイバー情報
LLDPについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

ネットワーク機器が「自分はここにいるよ、こういう機器だよ」って隣の機器に自己紹介し合うための仕組みだよ!おかげでネットワーク管理者は「どの機器がどこにつながってるか」を自動で把握できるんだ。机の配線図を手で書かなくても済むってこと!


LLDPとは

LLDP(Link Layer Discovery Protocol) は、ネットワーク機器(スイッチ・ルーター・サーバーなど)が直接つながっている隣の機器に対して、自分の情報を定期的に送り合うための標準プロトコルです。IEEE 802.1ABとして標準化されており、メーカーを問わず使える点が大きな特徴です。

具体的には、「自分のホスト名」「ポート番号」「対応している機能」「管理用IPアドレス」などの情報をLLDPフレームと呼ばれるデータに乗せて、60秒ごとにブロードキャストします。受け取った機器はその情報をMIB(管理情報ベース) に保存し、NMS(ネットワーク管理システム)などから参照できるようにします。

これにより、大規模なオフィスや工場のネットワークでも、「どのスイッチのどのポートに何がつながっているか」を自動的に可視化できます。システム発注や増設の際に現状把握の手間が大幅に省けるため、ネットワーク運用管理の効率化に直結する重要な技術です。


LLDPの仕組みと構造

LLDPは TLV(Type-Length-Value) という形式で情報をパケットに詰め込みます。必須TLVと任意TLVがあり、状況に応じてさまざまな情報を付加できる柔軟な設計になっています。

主なTLV(送受信される情報)

TLV名種別内容の例
Chassis ID必須機器を識別するMACアドレスなど
Port ID必須送信元ポートの識別子
Time to Live必須情報の有効期限(秒)
System Name任意機器のホスト名
System Description任意OS・バージョン情報など
Management Address任意管理用IPアドレス
Port Description任意ポートの説明文
System Capabilities任意ルーター・スイッチ・電話機など

動作のながれ

[機器A]                          [機器B]
  |                                 |
  |--- LLDPフレーム (60秒ごと) --->|
  |<-- LLDPフレーム (60秒ごと) ----|
  |                                 |
  ↓                                 ↓
 隣接情報をMIBに保存            隣接情報をMIBに保存
        ↑                                ↑
        └──── NMS/管理ツールが収集 ───────┘

覚え方のヒント

Let me Learn about your Device, Please(あなたの機器のことを教えて)」と覚えると、自己紹介プロトコルというイメージが定着しやすいですよ。


歴史と背景

  • 1990年代後半〜2000年代初頭:Ciscoが独自の機器探索プロトコル CDP(Cisco Discovery Protocol) を開発・普及させる。便利だが、Cisco機器同士でしか使えない閉じた仕組みだった
  • 2004年:IEEEがメーカー非依存の標準プロトコルとして IEEE 802.1AB(LLDP) を策定。マルチベンダー環境でも使えるように
  • 2005年〜:主要ネットワーク機器ベンダー(Cisco・Juniper・HP・Dell・Broadcomなど)が順次対応。エンタープライズ市場で急速に普及
  • 2009年LLDP-MED(Media Endpoint Discovery) が策定(ANSI/TIA-1057)。VoIP電話機向けに拡張され、VLAN設定や電源情報(PoE)も自動配布できるようになる
  • 2012年以降:データセンターの自動化・SDN(Software-Defined Networking)の普及に伴い、トポロジー自動検出の基盤技術として重要性がさらに高まる

LLDPとCDPの比較

LLDPを理解するうえで、Ciscoの独自プロトコル CDP との比較が非常に役立ちます。

LLDP と CDP の比較 LLDP IEEE 802.1AB 標準化団体 IEEE(国際標準) 対応ベンダー マルチベンダー対応 送信間隔(デフォルト) 30〜60秒 VoIP拡張 LLDP-MED で対応 主な用途 混在環境・標準化環境 CDP Cisco Discovery Protocol 標準化団体 Cisco(独自プロトコル) 対応ベンダー Cisco機器のみ 送信間隔(デフォルト) 60秒 VoIP拡張 Voice VLAN で対応 主な用途 Cisco統一環境 vs

実務上のポイント: 今日のオフィスネットワークはCisco・Juniper・HPなど複数ベンダーの機器が混在することがほとんどです。LLDPはすべての機器で動作するため、新しいシステムを発注・選定する際は「LLDP対応」を要件に含めておくと、後々の運用管理が格段に楽になります。

LLDP-MED(VoIP向け拡張)

LLDP-MED は、IP電話機やWi-Fiアクセスポイントなどのメディア端末向けに拡張されたLLDPの上位仕様です。以下の情報を自動配布できます。

機能内容
Network Policy音声用VLANやQoS設定を自動配布
PoE(電源情報)必要な電力量を機器間でネゴシエーション
Location識別緊急通報時の場所情報(フロア・部屋番号など)を通知
インベントリ管理機器のシリアル番号・ファームウェアバージョンを収集

関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
IEEE 802.1AB-2004LLDPの原本規格
IEEE 802.1AB-2016LLDPの改訂版(現行標準)
ANSI/TIA-1057LLDP-MED(メディア端末向け拡張)の標準
RFC 2922PTOPO MIB(物理トポロジーMIBの前身的位置づけ)

関連用語