LAN・物理層

ツイストペアケーブル ついすとぺあけーぶる

イーサネットUTPケーブルSTPケーブルカテゴリ6物理層ノイズ対策
ツイストペアケーブルって何?

簡単に言うとこんな感じ!

2本の電線をクルクルとねじり合わせたケーブルのことだよ!ねじることでノイズを打ち消す仕組みになってるんだ。オフィスのLANケーブルとして最もよく使われていて、見たことある人も多いはず!


ツイストペアケーブルとは

ツイストペアケーブル(Twisted Pair Cable)とは、2本の電線を一定間隔でらせん状にねじり合わせたペアを複数束ねたケーブルです。「ツイスト(twist)=ねじる」「ペア(pair)=2本一組」という名前の通り、ペアになった電線をよることで、外部からの電磁ノイズや、ペア同士の干渉(クロストーク)を打ち消し合う仕組みが特徴です。

オフィスや家庭のLAN(ローカルエリアネットワーク)配線に最も広く使われており、イーサネットの物理的な土台を支える存在です。コストが安く、施工が容易なことから、企業のネットワーク配線工事の現場では標準的な選択肢となっています。

ケーブルの中には通常4ペア(8本)の電線が入っており、それぞれの色で識別できます。端末側ではRJ-45コネクタ(いわゆるLANコネクタ)で接続するのが一般的です。


ケーブルの種類と構造

ツイストペアケーブルには、シールドの有無によって大きく2種類があります。

種類正式名称特徴主な用途
UTPUnshielded Twisted Pairシールドなし。安価で柔軟性が高い一般的なオフィスLAN
STPShielded Twisted Pairアルミ箔や金属編組でシールド工場・医療など高ノイズ環境
FTPFoiled Twisted Pair全体を箔でシールド(各ペアは非シールド)中程度のノイズ環境

ねじりがノイズを打ち消す仕組み

電線2本に逆向きの電流を流すと、発生する磁界が互いに打ち消し合います。さらに外部ノイズも2本に等しく乗るため、差分をとれば相殺されます。これを差動伝送と呼びます。ねじる間隔(撚り対ピッチ)が細かいほど、より高い周波数まで効果が得られます。

カテゴリ(Cat)別スペック一覧

ツイストペアケーブルには「カテゴリ(Cat)」という規格があり、数字が大きいほど高速・高帯域に対応しています。

カテゴリ最大帯域幅対応イーサネット規格最大速度
Cat5e100 MHz1000BASE-T1 Gbps
Cat6250 MHz1000BASE-T / 10GBASE-T(短距離)10 Gbps
Cat6A500 MHz10GBASE-T10 Gbps
Cat7600 MHz10GBASE-T10 Gbps
Cat82000 MHz40GBASE-T40 Gbps

選定の目安: 新規配線ならCat6Aが現実的な推奨。将来の10 Gbps化にも対応でき、コストと性能のバランスが良い。


歴史と背景

  • 1880年代 — アレクサンダー・グラハム・ベルが電話線のノイズ対策としてツイストペア構造を考案・採用
  • 1980年代 — IBM がトークンリングネットワークにSTPケーブルを採用し、オフィス配線に普及
  • 1991年 — TIA/EIA-568規格が策定され、UTPケーブルのカテゴリ体系(Cat3〜Cat5)が標準化
  • 1995年 — 100BASE-TXの普及とともにCat5が急速に広まり、事実上の標準に
  • 2001年 — Cat5eが登場し、ギガビットイーサネット(1 Gbps)に対応
  • 2002年 — Cat6規格が標準化。より高帯域な通信に対応
  • 2009年 — Cat6Aが標準化。10 Gbpsを100mまでサポート
  • 現在 — データセンターではより高速な光ファイバーへの移行が進む一方、フロア内配線ではツイストペアが依然として主力

光ファイバーケーブルとの比較

ツイストペアケーブルと光ファイバーケーブルはどちらもLAN配線に使われますが、特性が大きく異なります。

ツイストペアケーブル vs 光ファイバーケーブル ツイストペアケーブル 最大距離: 最大 100m 最大速度: 最大 40 Gbps(Cat8) コスト: 安価(資材・施工ともに) ノイズ耐性: 電磁ノイズの影響あり 取り扱い: 曲げやすく施工しやすい ✔ 用途: オフィス・家庭内LAN 光ファイバーケーブル 最大距離: 数km〜数十km 最大速度: 100 Gbps以上も可 コスト: 高価(特にコネクタ・工事) ノイズ耐性: 電磁ノイズに完全耐性 取り扱い: 折れに注意・専門工事要 ✔ 用途: 幹線・データセンター VS

実務での選び方

  • 新規オフィス配線:Cat6A UTPが現実的な選択。1Gbps〜10Gbpsに対応しつつコストを抑えられる
  • 工場・製造ライン:モーターなどの強電ノイズが多い環境ではSTPまたは光ファイバーを検討
  • フロア間・建物間の幹線:距離や速度が必要なら光ファイバー一択
  • 既存配線の流用:Cat5eならギガビットは問題なく通る。10Gbps化が見えているならCat6A以上への更新を検討

関連する規格・RFC

規格番号内容
IEEE 802.3イーサネット全般の規格。ツイストペアを使った各種物理層仕様を含む
TIA/EIA-568構造化配線システムの標準規格。カテゴリ分類の根拠となる規格(ANSI/TIA-568-C.2など)
ISO/IEC 11801国際的な構造化配線規格。クラスD/E/EAなどのカテゴリに対応

関連用語

  • イーサネット — 有線LANの代表的な通信規格。ツイストペアケーブル上で動作する
  • 物理層 — OSIモデルの第1層。ケーブルや電気信号を扱う層
  • RJ-45 — ツイストペアケーブルの端末に使われる標準的なLANコネクタ
  • 光ファイバーケーブル — 光を使って長距離・高速通信を実現するケーブル
  • イーサネットスイッチ — ツイストペアケーブルを接続してLANを構成する機器
  • 1000BASE-T — Cat5e以上のツイストペアで1Gbpsを実現するイーサネット規格
  • クロストーク — ケーブル内のペア間で信号が干渉し合う現象。ツイストで抑制される
  • 構造化配線 — オフィスや施設の配線を標準化された方式で設計・施工する考え方