マルチリージョンアーキテクチャ まるちりーじょんあーきてくちゃ
簡単に言うとこんな感じ!
東京のデータセンターが止まっても大阪(や海外)が引き継げるように、複数の地域でシステムを動かしておく構成のこと。「絶対落とせないシステム」の定番設計だよ!
マルチリージョンアーキテクチャとは
マルチリージョンアーキテクチャとは、クラウドの複数のリージョン(地理的に離れたデータセンター群)にシステムを分散配置し、高可用性・災害対策・グローバル対応を実現する設計パターンです。
単一リージョンに集中したシステムでは、そのリージョンで大規模障害が起きたとき(自然災害・電力障害・クラウドプロバイダー側の障害)に全サービスが停止します。マルチリージョン構成では、片方のリージョンが停止しても別リージョンがトラフィックを引き継ぐフェイルオーバーが可能です。また、ユーザーに地理的に近いリージョンからデータを配信することでレイテンシの最小化も達成できます。
構成パターン
| パターン | 概要 | RTO/RPO | コスト |
|---|---|---|---|
| Active-Passive | 主リージョンが稼働、副は待機 | 分〜時間単位 | 中 |
| Active-Active | 複数リージョンが同時に稼働・負荷分散 | 秒〜分単位 | 高 |
| Pilot Light | 副リージョンは最小構成で起動待機 | 数十分 | 低〜中 |
| Warm Standby | 副リージョンは縮小スペックで常時稼働 | 数分〜十分 | 中 |
RTO(Recovery Time Objective):障害からの復旧目標時間 RPO(Recovery Point Objective):どこまでのデータ損失を許容するか
設計上の主な課題
データの整合性
マルチリージョンではデータレプリケーションが欠かせません。同期レプリケーションはRPO=0を達成できますが、地理的距離があると書き込みレイテンシが増大します。非同期レプリケーションは高速ですが、切り替え時にわずかなデータ損失が生じます。
トラフィック制御
- DNS加重ルーティング:Route 53 / Azure Traffic Manager でリージョン間を割り振り
- Anycastルーティング:Cloudflare / AWS Global Accelerator で自動的に最寄りリージョンへ
- ジオルーティング:ユーザーの地域に基づいて最適なリージョンへ誘導
歴史と背景
クラウド以前の企業システムでも「本番DC+DR(Disaster Recovery)サイト」という形でマルチサイト構成は存在しました。AWSが2010年代に複数リージョンを展開し、リージョン間レプリケーションAPIを提供したことで、「ソフトウェア的に」マルチリージョン構成を作れるようになりました。2011年のAWS米東部リージョン大規模障害や2012年の同障害を機に、マルチリージョン設計の重要性が大きく認識されました。
主要クラウドのリージョン数(2024年時点)
関連用語
- セルベースアーキテクチャ — マルチリージョンをさらに細分化したアプローチ
- データレプリケーション(クラウド間) — リージョン間のデータ同期
- マルチクラウド戦略 — 複数クラウドにまたがる場合