B2Cアプリの立ち上げ・グロースガイド

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ローンチ戦略―最初の100人をどう集めるか

アプリをリリースした翌日

ついにApp StoreとGoogle Playに「フォトブックアプリ」がリリースされた。

翌朝、ダウンロード数を確認した。

3件。

うち2件は自分と部長だった。

リリースさえすれば、自然に広まると思ってたんだけど……。

「作れば売れる」という思い込みは、プロダクト系で一番多い失敗パターンだよ。

App Storeには毎日数百〜数千本のアプリが追加される。何もしなければ、誰の目にも触れないんだ。

BtoCのデジタルプロダクトでは、「作ること」と「届けること」は別の仕事だよ。マーケティングは開発が終わってから始めるものではなく、開発と並行して設計しておくものなんだよね。


最初の100人の重要性

「最初の100人」は特別だ。彼らは最もフィードバックをくれて、最も熱心に使ってくれて、口コミの火種になる。

この100人をどこで集めるかを逆算して考えた。

チャネル期待できるユーザー数コスト
社員・知人への直接お願い20〜30人0円高い
SNS(自社・個人アカウント)10〜50人0円
ママ向けWebメディアへのプレスリリース50〜500人0円〜高い
インフルエンサーとのコラボ100〜1,000人商品代
SNS広告(Instagram・TikTok)無制限費用次第低〜中
広告を出した方が一番早く集まりそうだけど、最初は広告からじゃダメなの?

最初から広告でいきなり集めるのは、危険だよ。

プロダクトがまだ荒削りな段階で大量集客すると、悪い口コミが広がって、ブランドイメージが傷つくから。

理想の順番はこんな感じ:

  1. 身近な人に使ってもらう(バグを直す)
  2. ファンになってくれる少数に深く届ける(改善の方向性をつかむ)
  3. プロダクトが磨けてから広告で拡大する

最初の100人は、「獲得コストゼロ、フィードバックコストも低い」チャネルから丁寧に集める方が結果的に早いんだよ。


ASOでストアを最適化する

広告の前に、ASO(App Store Optimization:アプリストア最適化)をやった。

検索エンジンのSEOと同じように、App StoreやGoogle Playでも「どんなキーワードで検索されるか」を意識してアプリのタイトル・説明文・スクリーンショットを最適化する。

今回変えたこと

  • タイトル:「フォトブックアプリ」→「フォトブック作成 - 家族の思い出を1冊に」
  • 説明文:機能の羅列→「誕生日・卒業式・家族旅行の記念に。スマホの写真が、感動のフォトブックに」
  • スクリーンショット:アプリの画面→完成したフォトブックと喜ぶ家族の写真
スクリーンショットって、アプリの画面じゃなくていいの?

むしろ「完成後の体験」を見せる方がいいんだよ。

ユーザーはアプリの画面を見たいのではなく、「このアプリを使うと自分はどうなれるか」を知りたいからね。

家族が揃って完成したフォトブックを開いている写真、祖父母が涙を浮かべている場面——そういうビジュアルの方が「使いたい」という気持ちを引き出せるんだ。アプリのスクリーンショットより、感情に訴えるイメージが効くよ。


ママ向けメディアへのプレスリリース

印刷会社という「コンテンツの信頼性」を活かして、ママ向けWebメディアにプレスリリースを送った。

文面は「新しいアプリが出ました」ではなく、「印刷のプロが作った、子どもの成長記録サービスを無料でお試しいただけます」という切り口にした。

3本のメディアに取り上げられて、リリース1週間でダウンロード数が320件に到達した。

プレスリリースって有料じゃないの?

配信サービスを使うと有料だけど、直接メディアに送るのは無料だよ。

ポイントは「メディアの読者にとって面白い話か」を考えること。「新しいアプリを作りました」は自社の話。「子育て中のパパ・ママの写真整理の悩みを解決するサービス」は読者の話だよね。

プレスリリースで取り上げてもらえるかどうかは、「うちが伝えたいこと」ではなく「メディアの読者が知りたいこと」を書けるかにかかっているんだ。


インフルエンサーとのコラボ

フォロワー3万人のママインスタグラマーに、商品提供(フォトブック無償プレゼント)を条件にコラボを打診した。

2人から返事があり、「実際に作ってみた」という体験投稿をしてもらった。

結果:投稿日の翌日のダウンロード数が通常の8倍。

ただし、気をつけた点がある。

  • 「感想を自由に書いてください」と伝えた(宣伝丸出しにしない)
  • PRと明記してもらった(ステマ規制対応)
  • フォロワーの質を確認した(フォロワー数より、コメントの熱量を見た)
フォロワー数が多い人の方がいいんじゃないの?

フォロワー数よりエンゲージメント率(いいね・コメント数 ÷ フォロワー数)の方が重要なんだよ。

フォロワー100万人でも、エンゲージメント率が0.1%なら、実際に反応する人は1,000人。フォロワー3万人でも、エンゲージメント率が5%なら1,500人が反応するよ。

特に「マイクロインフルエンサー」(フォロワー1万〜10万)は、ファンとの距離が近く、紹介の信頼性が高い傾向があるんだ。費用対効果で見ると、大きなインフルエンサーより優れる場合が多いよ。


ローンチ1ヶ月の結果

指標数値
ダウンロード数1,240件
購入完了ユーザー87人
CVR(ダウンロード→購入)7.0%
平均注文単価3,850円
売上約33万円

最初の1ヶ月で100人に届いた。次は「この100人を維持しながら、1,000人に増やす」フェーズだ。そのためにはファネル全体を設計する必要がある。


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