B2Cアプリの立ち上げ・グロースガイド

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ユーザーが本当に求めていたもの

ユーザーインタビューをやってみた

ペルソナ「さおりさん」を実際に生きている人から検証するために、子育て中の30代女性5人にオンラインインタビューをお願いした。

テーマは「フォトブックについて、何でも話してください」。

議事録を読み返すと、繰り返し出てくるキーワードがあった。

泣いた」「じーんとした」「あの頃に戻れた気がした」「親に渡したら喜んでくれた

印刷の解像度や色域の話は、一度も出なかった。

うちの会社、印刷品質には自信があるから、そこを売りにしようと思ってたんだけど……

品質は「あって当然」の前提条件であって、それ自体が買う理由にはなりにくいんだよね。

飛行機を選ぶとき「落ちない」を売り文句にする航空会社はない。「落ちないのは当たり前」だから。フォトブックの印刷品質も同じだよ。

ユーザーが「買う理由」は、品質の上にあるんだ。「泣けるほど懐かしい体験」「大切な人の喜ぶ顔」「過ぎ去った時間への愛着」、そういう感情的な価値が購入を動かしている。


インサイトを言語化する

インタビューの内容を整理すると、3つの「インサイト(隠れたニーズ)」が見えてきた。

インサイト①「作る行為自体が癒し」

フォトブックを作っている間、写真を選びながら「あのとき楽しかったな」と記憶が蘇る。その時間自体が、ユーザーにとって価値になっていた。

インサイト②「渡す相手がいる」

「自分のため」より「祖父母のため」「パートナーへの贈り物」という用途が多かった。フォトブックは「自分が楽しむもの」ではなく「誰かに贈るもの」という文脈で使われている。

インサイト③「完成したときの感動が最大のモーメント」

届いたフォトブックを初めて開いたとき、子どもと一緒にめくるとき——そこが感情のピーク。それ以外は「早く届いてほしい」という待機状態。

このインサイトをどうプロダクトに活かせばいいの?

インサイトごとに「プロダクトで何ができるか」を考えてみよう。

①「作る行為が癒し」なら → 写真選びのUXをもっと「楽しい体験」にする。写真を見ながらニヤッとできる瞬間を設計するんだ。

②「渡す相手がいる」なら → 「ギフト注文」機能を重視する。メッセージカードや送り先直送をサポートするといいよ。

③「完成時が感動のピーク」なら → 梱包・同梱物・フォトブックを開いた瞬間のデザインを磨く。届いた写真をSNSで共有したくなる仕掛けを作ってみてね。

「印刷クオリティ」ではなく「感動の瞬間の設計」が、差別化の軸になるんだよ。


「感動の保存装置」という定義

インタビューを経て、プロダクトの定義を書き直した。

Before:「スマホ写真を簡単にフォトブックにできるアプリ」

After:「大切な時間を、感動のカタチで残す。家族の思い出保存装置」

同じ商品の説明なのに、だいぶ変わったな。

言葉が変わると、プロダクトのすべてが変わるんだよ。

コピーライティング、広告クリエイティブ、アプリのオンボーディング文言、梱包デザイン、カスタマーサポートのトーン。

「フォトブックを作るアプリ」として設計するのと、「感動を届けるプロダクト」として設計するのでは、細部の判断がすべて変わってくるよ。

「機能を売る」のではなく「体験・感情を売る」。BtoCプロダクトで長期的に選ばれ続けるサービスは、たいていこの視点を持っているんだ。


ユーザーインタビューの基本

このプロジェクトで初めてユーザーインタビューを経験したが、やり方にコツがあることがわかった。

やってよかったこと

  • 「なぜ?」を3回繰り返す(表面的な答えの下に本音がある)
  • 「こういうことですか?」と言い換えて確認する
  • インタビュー中は自分の意見を言わない(誘導しない)
  • 終わった後すぐに感想をメモする

やってしまった失敗

  • 「この機能があったら使いたいですか?」と聞いてしまった(「はい」しか返ってこない)
  • 仮説を確認しようとして、都合のいい答えを引き出していた
「この機能があったら使いますか?」って聞くのがダメなの?

ダメというより「意味がない」んだよね。

人は「あったら使いますか?」と聞かれたら、たいてい「まあ、使うかもしれません」と答える。でも実際には使わないことが多いから。

正しい聞き方は「過去の行動」を聞くことだよ。「最後にフォトブックを作ったのはいつですか?」「そのとき何が大変でしたか?」ってね。人は未来の意向より、過去の行動の方が正直に話せるんだ。


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