ホームページは洗練されているのに、SNSの投稿がカジュアルすぎる。名刺のデザインはプロっぽいのに、メールの文体が砕けすぎている——こうした「バラバラな印象」を与えてしまっている会社は、せっかくの努力が半減しています。これを防ぐのが「トンマナ(トーン&マナー)」の統一です。
トンマナとは何か
「トーン&マナー」の略で、ブランドが発信するデザインや言葉のスタイルを統一するためのルールの総称です。具体的には以下の要素を含みます。
- デザイン面:色使い、フォント、写真のテイスト、レイアウトのスタイル
- 言語面:文体(です・ます調 vs だ・である調)、言葉遣いの丁寧さ、語彙の選択
- コミュニケーション面:SNS投稿の雰囲気、返信のスタイル、メールの書き出し
これらが統一されることで、どのタッチポイントで接触しても「この会社らしいな」という一貫した印象を顧客に与えられます。
トンマナが統一されていないと何が起きるか
神戸市内の中小企業でよく見られる「トンマナ崩壊」の事例を挙げます。
事例1:印刷物とWebの乖離 三宮の会計事務所Aは、ホームページは洗練されたプロフェッショナルなデザインなのに、配布しているチラシはWord自作で見た目がまったく別の会社のよう。初めて来訪したお客様から「ホームページと全然違う雰囲気ですね」と言われ、信頼感の損失に気づいた。
事例2:SNSとホームページの文体の乖離 元町の雑貨店Bは、ホームページでは「お客様に上質な暮らしをご提案します」という格調高い文体なのに、Instagramのコメントはギャルっぽいノリでの返信。どちらが本当のお店の雰囲気かわからず、フォロワーが購入に踏み切れない。
こうした「違和感」は信頼を損ない、最終的に問い合わせ・購入の障壁になります。
トンマナ設計のステップ
ステップ1:ブランドパーソナリティの言語化
自社のブランドを「人格」に例えて表現します。
- 「30代の誠実なビジネスパーソン——丁寧・プロフェッショナル・信頼感がある」
- 「地域のお母さん——親しみやすい・温かい・相談しやすい」
- 「革新を追うクリエイター——先進的・感度が高い・挑戦的」
このパーソナリティが定まると、デザインと言葉の方向性が自然に決まります。
ステップ2:デザイントンマナの定義
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| メインカラー | #1A3A5C(深いネイビー) |
| サブカラー | #F5F5F0(オフホワイト) |
| 使用フォント | 見出し:Noto Serif JP / 本文:Noto Sans JP |
| 写真テイスト | 明るく清潔感のある自然光。フィルター加工なし |
| レイアウト | 余白を広めにとったミニマル系 |
ステップ3:言語トンマナの定義
- 文体:「です・ます調」で統一、過度な敬語は使わない
- 呼びかけ:「お客様」ではなく「あなた」を使う
- 避ける言葉:業界用語・カタカナ多用・体言止めの乱用
- SNSのみ許容:絵文字の使用(ただし1投稿2個まで)
業種別トンマナの方向性
医療・介護・福祉系(神戸市内の診療所、ケアホームなど) 安心感・誠実さを最優先に。白・水色・薄緑などのクリーンな色調、です・ます調の丁寧な文体。過度なポップさは逆効果です。
飲食・カフェ系(北野・元町・有馬などの観光エリア) 温かみと感性の豊かさを表現。アースカラーやナチュラル系の写真、やや個性的なフォント。SNSでの投稿は少し親しみやすいトーンが許容される。
製造業・B2B(神戸・明石・加古川エリア) 信頼性・技術力・安定感を前面に。ネイビー・グレー系の落ち着いた色調。である調または丁寧なです・ます調で専門性を伝える。
他社ソリューションとの比較
ブランドガイドライン作成ツール(Canva for TeamsやFigmaなど)を使えば、トンマナをチームで共有しやすくなります。ただし、ツールに頼る前に「何を統一すべきか」を言語化しておかないと、ツールを入れても効果がありません。まず紙1枚のトンマナシートを作ることが先決です。
外注デザイナーやコピーライターと仕事をする際は、トンマナシートを最初に共有することで、方向性のズレを防ぎ、修正コストを削減できます。
まとめ
トンマナの統一は「ブランドらしさ」を生む最も基本的な取り組みです。大企業のような大規模なブランドガイドラインでなくても、A4一枚のトンマナシートから始めれば十分です。神戸・兵庫の中小企業でも、トンマナを意識するだけでホームページ・SNS・印刷物の一体感が生まれ、顧客に与える信頼感が大きく向上します。まずは「自社のブランドはどんな人格か」を言語化することから始めましょう。