ネットワークセキュリティ

DNSファイアウォール でぃーえぬえすふぁいあうぉーる

DNSファイアウォールRPZマルウェア対策ブロッキング脅威インテリジェンス
DNSファイアウォールについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

悪意のあるサイトへのアクセスを「名前解決」の段階でブロックする仕組みだよ。URLを開く前に「それ危険なサイトだよ!」って止めてくれるガードマンみたいなものなんだ!


DNSファイアウォールとは

DNSファイアウォールとは、DNS(Domain Name System)の名前解決プロセスを利用して、悪意のあるドメインへのアクセスをブロックするセキュリティ機能です。ユーザーが危険なWebサイトやC2(コマンド&コントロール)サーバーに接続しようとしたとき、DNSクエリの段階で遮断します。

通常のファイアウォールがIPアドレスポート番号でトラフィックを制御するのに対し、DNSファイアウォールは「ドメイン名」という人間に読みやすい形で制御できるのが特徴です。たとえば malware-c2.evil.com というドメインへの問い合わせが来たとき、偽の応答(無害なIPや空の応答)を返してアクセスを阻止します。

企業のセキュリティ対策として、エンドポイントセキュリティや次世代ファイアウォールと組み合わせて「多層防御」の一環として使われることが多くなっています。


仕組みと動作フロー

ステップ処理内容
1. クエリ受信クライアントがDNSサーバーに名前解決を要求する
2. ブラックリスト照合脅威インテリジェンスのリストとドメインを照合
3. ブロック判定悪意のあるドメインと判定した場合はブロック
4. 応答返却NXDOMAINや安全なIPアドレスを返してアクセスを妨げる
5. ログ記録ブロックした記録をセキュリティチームに通知

主な実装方式として RPZ(Response Policy Zone) があります。RPZはBINDなどのDNSサーバーが対応する標準的な仕組みで、管理者がポリシーゾーンを定義することでブロックルールを柔軟に設定できます。

クラウドサービスとしては Cisco UmbrellaCloudflare Gateway、Infoblox などが有名で、DNSサーバーをクラウド側に向けるだけで利用できます。


歴史と背景

  • 2000年代前半:スパムやフィッシング対策としてDNSベースのブラックリスト(DNSBL)が普及
  • 2010年:ISCがRPZ(Response Policy Zone)仕様を策定・BINDに実装
  • 2013年頃:APT(高度持続的脅威)対策でC2ドメインのブロックに応用が広がる
  • 2016年:Cisco Umbrellaがクラウド型DNSファイアウォールとして急成長
  • 2020年代ゼロトラストアーキテクチャの構成要素として位置づけられるようになる

DNSファイアウォールと他のセキュリティ対策の比較

比較項目DNSファイアウォール従来のファイアウォールURLフィルタリング
ブロック単位ドメイン名IPアドレス・ポートURL・カテゴリ
暗号化通信への対応可能(DNS段階)難しい(HTTPS等)プロキシ必要
設定の容易さ高い中程度中程度
管理コスト低い高い中程度
迂回されやすさIPアドレス直打ちで迂回可能低い低い
クライアント DNSファイア ウォール 安全なサーバー 悪意のある ドメイン (BLOCK) ✕ BLOCK DNSクエリ 脅威インテリジェンスと照合してブロック判定

関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
RFC 5782DNS Blacklists and Whitelists
RFC 8020NXDOMAIN: There Really Is Nothing Underneath
ISC RPZ仕様Response Policy Zones(BINDの実装仕様)

関連用語