AI/MLインフラ(クラウド)

Amazon Bedrock あまぞん べっどろっく

生成AI基盤モデルAWSLLMマネージドサービスRAG
Bedrockについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

BedrockはAWSが提供する「AIモデルのレンタルサービス」だよ!自分でAIを作らなくても、Claude・Llama・Titanなど有名な生成AIモデルをAPIで呼び出して使えるんだ。しかも自社データを組み合わせてカスタマイズもできちゃうってこと!


Amazon Bedrockとは

Amazon Bedrockとは、AWS(Amazon Web Services)が提供するフルマネージド型の生成AI基盤サービスです。「フルマネージド」とは、サーバーの管理やモデルのインフラ整備を自分でやらなくていい、という意味です。開発者はAPIを呼び出すだけで、複数の基盤モデル(Foundation Model: FM)を即座に利用できます。

基盤モデルとは、大量のデータで事前学習済みの大規模AIモデルのことで、Claude(Anthropic社)・Llama(Meta社)・Titan(Amazon社)・Mistral・Stability AIなど、複数のプロバイダーのモデルをBedrockの画面上から選択・切り替えできます。まるでAIモデルの「コンビニ」のような存在です。

企業にとって重要なポイントは、自社のデータがAIモデルの学習に使われないという点です。送ったデータはBedrockの外部に出ず、プライバシーとセキュリティを保ちながら生成AIをビジネス活用できます。


Bedrockの主な機能・構造

機能名説明主なユースケース
モデル呼び出し(Inference)APIでプロンプトを送り、AIの回答を受け取るチャットbot・文書要約・コード生成
ファインチューニング自社データでモデルを追加学習させる専門用語対応・自社トーン調整
Knowledge Bases(RAG社内文書をAIに参照させて回答精度を上げる社内FAQBot・契約書検索
AgentsAIが複数ツールを自律的に操作するフローを作る在庫確認→発注→メール送信 の自動化
GuardrailsAIの回答に制限・フィルタをかける不適切発言の防止・トピック制限
Model Evaluation複数モデルの回答品質を比較評価する最適モデルの選定

「岩盤(Bedrock)」という名前の意味

名前の由来は「岩盤=すべての基盤」から。生成AIアプリを作るための土台(基盤)として機能することを意味しています。「土台の上に家を建てる」ように、Bedrockの上にビジネスアプリを構築するイメージです。

利用できる主なモデル(2025年時点)

プロバイダーモデル名得意なこと
AnthropicClaude 3.5 / Claude 3長文理解・複雑な推論・安全性
MetaLlama 3オープンソース系・コスト重視
AmazonTitan Text / Titan EmbeddingsAWS連携・RAG向け埋め込み
Mistral AIMistral / Mixtral高速・軽量・多言語
Stability AIStable Diffusion画像生成

歴史と背景

  • 2021年頃〜 ChatGPT登場前後から、企業のAI活用ニーズが急増。しかしモデルの構築・運用には専門チームが必要で、中小企業には高いハードルだった
  • 2023年4月 AWS re:Invent 2022の発表を受け、Amazon Bedrockのプレビューが開始。「モデルをAPIで手軽に使える」という発想が注目を集める
  • 2023年9月 Amazon Bedrockが一般提供(GA)開始。Claude・Titan・Stable Diffusionなど複数モデルでスタート
  • 2023年11月 Knowledge Bases(RAG機能)・Agents機能が追加。単なるモデル呼び出しからAIエージェント構築まで対応
  • 2024年〜 Guardrails・Model Evaluation・Llama 3など機能・モデルが続々追加。企業向けコンプライアンス対応も強化
  • 2025年現在 生成AIプラットフォームとしてAzure OpenAI ServiceやGoogle Vertex AIと並ぶ3大クラウドAI基盤の一つとして定着

競合サービスとの比較

Bedrockは「生成AIをAPIで提供するマネージドサービス」カテゴリに属し、主要クラウドベンダーがそれぞれ同種のサービスを提供しています。

比較項目Amazon BedrockAzure OpenAI ServiceGoogle Vertex AI
主な提供モデルClaude, Llama, Titan, MistralGPT-4o, GPT-4, DALL-EGemini, Imagen, Claude
モデルの多様性◎ 複数プロバイダーから選択可△ OpenAIモデル中心○ Google+一部外部
既存クラウドとの親和性AWS利用企業に最適Azure利用企業に最適GCP利用企業に最適
RAG機能Knowledge BasesAzure AI Search連携Vertex AI Search
エージェント機能Bedrock AgentsAzure AI Agent ServiceVertex AI Agent Builder
データ非学習保証
Amazon Bedrockの構造図 あなたのアプリケーション(Webアプリ・社内ツール・chatbot など) AWS SDK / API呼び出し Amazon Bedrock Guardrails Agents Knowledge Bases Fine-tuning Eval 基盤モデル(Foundation Models) Claude Llama 3 Titan Mistral Stable Diffusion AWS インフラ(セキュリティ・ネットワーク・スケーリングをAWSが管理) データは外部AIの学習に使用されない

実務での使われ方(具体例)

📋 社内FAQチャットボット(Knowledge Bases活用)

  1. 社内規程・マニュアルPDFをS3(AWSのストレージ)にアップロード
  2. Bedrock Knowledge Basesがドキュメントを自動インデックス
  3. 社員が質問すると、関連ドキュメントを参照しながらAIが回答
  4. ハルシネーション(AIの嘘)を減らしながら、社内情報に特化した回答が可能

🤖 エージェントによる業務自動化(Agents活用)

ユーザー:「先月の売上レポートをまとめてSlackに送って」

Bedrock Agent:
  [1] データベースAPIを呼び出して売上データ取得
  [2] データを集計・グラフ化
  [3] レポート文書を生成
  [4] Slack APIでチャンネルに投稿

完了(人間の操作なし)

関連する規格・RFC

規格・ガイドライン内容
NIST AI RMF 1.0AIリスクマネジメントフレームワーク。Bedrockの Guardrails 設計の参考基準
ISO/IEC 42001AIマネジメントシステム国際規格。Bedrock活用時のガバナンス基準として参照される

関連用語

  • ./620-llm.mdLLM(大規模言語モデル)— Bedrockが提供するAIモデルの種類
  • ./621-foundation-model.md — 基盤モデル(Foundation Model)— Bedrockで選択・利用するAIモデルの総称
  • ./622-rag.md — RAG(検索拡張生成)— Knowledge Basesが採用する回答精度向上の仕組み
  • ./623-aws.md — AWS(Amazon Web Services)— Bedrockが動作するクラウド基盤
  • ./624-api.md — API — BedrockのAIモデルを呼び出すためのインターフェース
  • ./625-ai-agent.md — AIエージェント — Bedrock Agentsが実現する自律的なタスク実行の仕組み
  • ./626-fine-tuning.md — ファインチューニング — 自社データでモデルを追加学習させる手法
  • ./627-hallucination.md — ハルシネーション — AIが事実と異なる情報を生成してしまう現象。Guardrailsで対策する