発注の基本

RFI(情報提供依頼書) あーるえふあい

情報提供依頼書RFPベンダー選定調達プロセスIT発注要件定義
RFIって何?RFPとは違うの?

簡単に言うとこんな感じ!

RFIは「まずどんな製品・会社があるか教えて」って聞く情報収集のステップだよ。RFPが「これを作って、いくらで?」という正式な見積もり依頼なのに対して、RFIはその手前の「お試し質問」みたいなものなんだ!


RFIとは

RFI(Request for Information/情報提供依頼書) とは、企業がシステムや製品・サービスを調達する前段階として、ベンダー(販売会社・開発会社)に対して「どんな製品があるか」「どんな対応ができるか」といった情報を広く集めるために発行する文書のことです。

発注する側がまだ「何を買えばいいかよくわかっていない」段階で活用されます。例えば「社内の勤怠管理をシステム化したいが、世の中にどんな製品があるのか、費用感はどのくらいなのか、まず把握したい」というような場面です。この段階では特定のベンダーへの発注を決めているわけではなく、市場調査・情報収集が主な目的です。

RFIで集めた情報をもとに要件(何が必要か)を整理し、次のステップである RFP(提案依頼書)RFQ(見積依頼書) へと進んでいくのが一般的な調達プロセスの流れです。


RFI・RFP・RFQの違いと調達プロセス全体像

IT調達では、RFIはあくまで最初の「情報収集フェーズ」に位置します。3つの用語をまとめて整理しましょう。

略語正式名称目的タイミング
RFIRequest for Information市場・製品情報の収集要件定義の前
RFPRequest for Proposal具体的な提案・見積もりの依頼要件定義の後
RFQRequest for Quotation価格・納期の見積もり依頼仕様確定後
RFI 情報収集 「何があるの?」 要件定義 必要なものを整理 「何が必要?」 RFP 提案依頼 「提案して!」 RFQ 見積依頼 「いくら?」

「RFIはお見合いの前の事前調査」と覚えよう

RFIは「相手を探す段階」、RFPは「本命候補にプロポーズする段階」と覚えると整理しやすいです。まず広くリサーチして候補を絞り込み、それからしっかり提案を求めるというステップです。

RFIに書く主な内容

  • 自社の概要・検討の背景
  • 検討しているシステム・サービスの概要(あいまいでもOK)
  • ベンダーへの質問事項(製品の特徴・導入実績・費用感・サポート体制など)
  • 回答の期限と提出方法

歴史と背景

  • 1990年代〜2000年代初頭: 大規模な官公庁・大企業のITシステム調達で、入札前の情報収集を目的としてRFIが体系化された。特に公共調達では透明性確保のため文書化が義務づけられることも多かった
  • 2000年代中盤: 企業のIT化が中堅・中小企業にも広がり、ベンダーが乱立する市場でRFIを活用した絞り込みが一般化してきた
  • 2010年代以降: クラウドサービス・SaaSの急増により、製品の種類が爆発的に増加。自力での市場調査が困難になり、改めてRFIの重要性が見直された
  • 現在: IT導入補助金などの公的支援制度でも、選定プロセスの透明性を示す文書としてRFIの活用が推奨されている

RFIを出す際の実務ポイント

ベンダーへの質問で押さえたい5項目

確認ポイント質問例
製品・サービスの概要どんな機能があるか、他社との違いは何か
導入実績同業種・同規模の会社への導入事例はあるか
費用感初期費用・月額費用のおおよその相場は
サポート体制導入後のサポート・保守はどうなっているか
スケジュール導入までの標準的な期間はどのくらいか

RFIを出すときの注意点

  • 秘密保持(NDA)を検討する: 自社の業務内容や課題を開示するため、情報漏えいに注意。重要な情報を含む場合はNDA(秘密保持契約)を事前に締結することが望ましい
  • 複数ベンダーに同じ内容を送る: 比較ができるよう、質問内容は統一する
  • 回答を強制しない: RFIへの回答はベンダーに義務がないため、「回答は任意です」と明記するのがマナー
  • RFIへの回答が評価に影響することを伝える: 次のRFP選定に使う旨を記載すると、ベンダーから質の高い回答が得られやすい

関連用語

  • RFP(提案依頼書) — ベンダーに具体的な提案・見積もりを依頼する文書。RFIの次のステップ
  • RFQ(見積依頼書) — 仕様が固まった後に価格・納期の見積もりを依頼する文書
  • ベンダー選定 — 複数のIT企業・製品の中から自社に最適な候補を選ぶプロセス
  • 要件定義 — システムに必要な機能・性能・条件を整理・文書化する作業
  • NDA(秘密保持契約) — 業務上の機密情報を第三者に漏らさないことを約束する契約
  • SaaS — インターネット越しに提供されるソフトウェアサービス。RFI調査対象になることが多い
  • IT調達プロセス — RFI→要件定義→RFP→選定→契約までの一連の流れ全体