リソース棚卸し りそーすたなおろし
簡単に言うとこんな感じ!
クラウドやシステムで使っているサーバー・ストレージ・ライセンスなどを全部リストアップして「これ本当に使ってる?」「料金払いすぎてない?」を確認する作業だよ。倉庫の在庫チェックと同じ感覚で、使ってないのに課金されてるものをあぶり出すんだ!
リソース棚卸しとは
リソース棚卸しとは、クラウドサービスやオンプレミス(自社設置型)のシステムで利用しているサーバー・データベース・ストレージ・ネットワーク機器・ソフトウェアライセンスなどのIT資産を一覧化し、利用状況・コスト・必要性を点検する作業のことです。小売業の「棚卸し(在庫確認)」にならった言葉で、IT資産版の在庫チェックと考えるとわかりやすいでしょう。
クラウドサービスは「使った分だけ払う」従量課金モデルが基本ですが、一度作ったリソースを削除しないままにしておくと、誰も使っていないのに料金だけが発生し続けるという状況が起こりがちです。プロジェクト終了後に放置されたサーバー、検証用に立てたままのデータベース、容量を大きく確保しすぎたストレージなど、こうした「幽霊リソース」が積み重なることで、クラウドコストが静かに膨らんでいきます。
リソース棚卸しは定期的に実施することで、無駄なコストの削減・セキュリティリスクの低減・システム全体の見通し改善という3つの効果が得られます。特に「システム発注はしたけれど、その後のランニングコストは現場任せ」になりがちな企業では、棚卸しをきっかけに大幅なコスト圧縮につながるケースが珍しくありません。
棚卸しで確認する主なリソースと観点
| リソース種別 | 具体例 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 仮想サーバー(VM) | AWS EC2、Azure VM | 停止中なのに課金されていないか。スペック過剰でないか |
| ストレージ | S3バケット、Azure Blob | アクセス頻度・保存期間・容量の適正確認 |
| データベース | RDS、Cloud SQL | 開発・検証用が本番環境と同規模になっていないか |
| ネットワーク | 固定IPアドレス、ロードバランサー | アタッチされていない固定IPに課金されていないか |
| ライセンス | OSライセンス、SaaSツール | 退職者アカウント・未使用シートが残っていないか |
| バックアップ | スナップショット、バックアップ保存 | 古いスナップショットが無限に蓄積されていないか |
棚卸しの2大軸:「存在確認」と「適正確認」
棚卸しはざっくり2段階で考えると整理しやすいです。
① 存在確認:そのリソースは今も本当に使われているか?
→「誰が・何のために・いつまで」使うかが不明なリソースを洗い出す
② 適正確認:使っているとしても、スペックや料金プランは最適か?
→CPU使用率が常に5%以下のサーバーは「小さいサイズに変更できる」サインかもしれない
棚卸しの頻度の目安
| タイミング | 推奨内容 |
|---|---|
| 毎月 | コストレポートの確認・急増箇所のチェック |
| 四半期ごと | 全リソースのリストアップと利用状況レビュー |
| プロジェクト終了時 | 検証・開発用リソースの削除確認 |
| 年1回 | ライセンス・契約プランの全体見直し |
歴史と背景
- 〜2010年代前半:オンプレミス中心の時代は「物理サーバーを買う」ため、資産台帳の管理が自然に行われていた。サーバーは目に見えるモノなので放置しにくかった。
- 2010年代中盤〜:AWS・Azure・GCPなどクラウドサービスが普及。数クリックでサーバーを立てられる手軽さの一方、「作りっぱなし」問題が顕在化し始める。
- 2018年頃〜:クラウドコストの最適化を専門とするFinOps(フィンオプス)という考え方が登場。リソース棚卸しはFinOpsの中心的な実践として位置づけられるようになった。
- 2020年代〜:リモートワーク拡大によるSaaS利用の急増で、ソフトウェアライセンスの棚卸しニーズも急拡大。「シャドーIT(会社が把握していないクラウド利用)」の発見にも棚卸しが活用されるようになった。
棚卸しのやり方と活用ツール
クラウドリソースの棚卸しは、人手でやるのはなかなか大変です。主要クラウドサービスには棚卸しを助けるツールや機能が用意されています。
タグ付けが棚卸しの鍵
クラウドリソースにはタグ(ラベル)を付けることができます。たとえば「部署:営業部」「プロジェクト:新システム開発」「環境:本番」のようにタグを付けておくと、棚卸し時に「営業部が使っているリソースだけ一覧表示」「本番以外の環境のコストだけ集計」といった絞り込みが簡単にできます。タグ付けルールを最初に決めておくことが、後の棚卸しコストを大きく左右します。
棚卸しで発見される「よくある無駄」
【発見パターン TOP5】
1. 停止中なのにディスクだけ課金されているVM
└ 停止しても「削除」しない限り、ストレージ代は発生し続ける
2. 検証用に立てたままの本番サイズDB
└ 「とりあえず本番と同じスペックで」→ プロジェクト終了後も放置
3. 誰も使っていないS3バケット(大量データ入り)
└ 古いログ・バックアップが何年分も蓄積
4. 退職者アカウントのSaaSライセンス
└ Slack・Zoom・Notionなど月額課金ツールに多発
5. アタッチ先がない固定IPアドレス
└ サーバーを削除してもIPを解放し忘れると、保持料が発生
関連する規格・RFC
| 規格・フレームワーク | 内容 |
|---|---|
| FinOps Foundation / FinOps Framework | クラウドコスト最適化の業界標準フレームワーク。棚卸しは「Inform(可視化)」フェーズの中核 |
| ISO/IEC 19770(ITAM) | ITアセット管理(IT Asset Management)の国際規格。ライセンス・ハードウェアの台帳管理に関するガイドラインを提供 |
| AWS Well-Architected Framework(コスト最適化の柱) | AWSが提供するベストプラクティス集。「不要なリソースの削除」「利用状況の継続的な監視」を明確に推奨 |
関連用語
- FinOps — クラウドコストを技術・財務・ビジネスの視点で継続的に最適化する考え方・実践手法
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