電波干渉・DFS でんぱかんしょう・でぃーえふえす
電波干渉DFSチャネル干渉5GHz帯レーダー回避Wi-Fi品質
電波干渉・DFSについて教えて
電波干渉・DFSとは
電波干渉とは、複数の無線機器が同じまたは隣接する周波数帯域を同時に使用することで、互いの通信品質を低下させる現象です。特に2.4GHz帯は使用可能チャネルが実質3つしかなく、周辺のWi-Fi・Bluetooth・電子レンジ・コードレス電話なども同じ帯域を使うため非常に混雑しやすい環境です。
DFS(Dynamic Frequency Selection:動的周波数選択)は、主に5GHz帯の一部チャネル(W53・W56帯)が気象レーダーや航空管制レーダーと周波数が重なるため、レーダー波を検知した際にAPが自動的に別のチャネルへ切り替わる仕組みです。DFS切り替え中は通信が一時的に中断されます(切り替えに最大60秒程度かかる場合あります)。
電波干渉の種類
| 干渉の種類 | 原因 | 影響 |
|---|---|---|
| 同一チャネル干渉 | 隣接APが同じチャネルを使用 | スループット低下 |
| 隣接チャネル干渉 | 一部重複するチャネルの使用 | 通信不安定 |
| 異種電波干渉 | 電子レンジ・Bluetooth | 2.4GHz帯が特に影響 |
| DFS切り替え | レーダー検知によるチャネル移動 | 一時的な接続断 |
| 隠れ端末問題 | APから見えない端末同士の衝突 | パケットロス増加 |
DFSの対象チャネル(日本)
| 帯域 | チャネル | DFS要否 |
|---|---|---|
| W52 | 36,40,44,48 | 不要(DFSなし) |
| W53 | 52,56,60,64 | 必要(気象レーダー等) |
| W56 | 100〜140 | 必要(航空管制等) |
歴史と背景
- 1999年:5GHz帯でのWi-Fi(802.11a)開始
- 2003年頃:W53/W56帯がレーダーと干渉することが問題化
- 2004年:IEEE 802.11h でDFSが標準化
- 2011年:日本でW56帯の屋外利用が解禁(DFS必須)
- 現在:DFSに起因した切断問題を避けるため、W52帯(非DFS)固定設定の企業も多い
干渉対策のポイント
- 5GHz帯(W52)を優先使用:DFSなしで安定動作
- 自動チャネル選択(RRM)の活用:無線LANコントローラーが干渉の少ないチャネルを自動設定
- APの送信出力を適切に設定:高すぎる出力が干渉を拡大させることも
- 2.4GHz帯クライアントを5GHz帯へ誘導(Band Steering)
関連する規格・RFC
| 規格 | 内容 |
|---|---|
| IEEE 802.11h | DFS・TPC(送信電力制御)の規格 |
| 電波法(日本) | 各チャネルの使用条件・出力規制 |
関連用語
- チャネルと周波数帯 — 電波干渉の基礎
- サイトサーベイ — 干渉源を事前に調査
- アクセスポイント — DFSを実装する機器
- 無線LANコントローラー — チャネルを自動最適化