#02 UIアニメーション入門
「速さ」がUIの印象を決める
素早くうなずく人と、ゆっくりうなずく人——同じ「うなずき」でも受け取る印象は違います。「速い」は軽快さを、「遅い」は重みを表す。UIのアニメーションも同じです。速さはユーザーの感情に直接作用します。
リアルタイムで体感する
スライダーを動かして、duration を 50ms から 1200ms まで変えながらホバーしてみてください。
スライダーで duration をリアルタイム変更。ホバーしながらちょうどいい速さを体感する
UIの種類別・速さの目安
| 操作の種類 | 推奨 duration | 理由 |
|---|---|---|
| ボタンの press(active) | 80〜120ms | 「押した瞬間」は即時に近い方がリアル |
| ホバー・フォーカス | 200〜250ms | 気づかせるが邪魔にならない |
| トースト・ツールチップ | 200〜300ms | 唐突に見えず情報を届ける |
| モーダルの開閉 | 280〜350ms | 空間の移動感を演出する最低限の時間 |
| ドロワー・サイドパネル | 320〜400ms | 大きい要素は速く動かすと荒っぽく見える |
| ページ遷移 | 250〜400ms | 速すぎると空間感が消える |
遅すぎるUIはイライラさせる
3つのフォームで、エラー表示の速さだけが違います。「送信」を押して比べてみてください。
「送信」を押してエラーの速さを比較。50ms は見逃し、1200ms は「壊れた?」と感じる
コンテンツの大きさと速さ
小さいポップオーバーと大きいドロワー——同じ速さで動かすと、大きい方が「荒っぽく」見えます。
小さいポップオーバーは200ms、大きいドロワーは380ms。大きいものを速く動かすと荒っぽくなる
速くすればいいわけではない
重要なアクションはあえてゆっくり見せることで「重み」を演出できます。
- 削除の確認ダイアログ — 600〜800ms でゆっくり現れることで「大事な決断」という空気を作る
- 支払い完了画面 — 400〜500ms でていねいに現れることで「確かに完了した」という安心感を強調する
- オンボーディングの初画面 — 400ms で丁寧に現れることで「ちゃんとしたサービス」という第一印象を作る
速さはユーザーの感情のコントロールです。速くすれば軽快、遅くすれば重厚——意図を持って使い分けてください。