TLS・PKI・証明書

DigiCert でじさーと

SSL/TLS証明書認証局(CA)PKIコードサイニングEV証明書WebTrust
DigiCertについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

DigiCertは、ウェブサイトの「信頼の証明書」を発行する世界最大級の会社だよ。「このサイト、本物だよ」って証明するSSL/TLS証明書を企業に発行していて、ブラウザの鍵マークの裏で動いてる縁の下の力持ちなんだ!


DigiCertとは

DigiCert(デジサート) は、2003年にアメリカ・ユタ州で設立された世界最大級の認証局(CA: Certificate Authority) およびPKI(公開鍵基盤) ソリューション企業です。企業や組織のウェブサイト・サーバーに対して SSL/TLS証明書 を発行し、インターネット上の通信を暗号化・認証するインフラを提供しています。

2017年にはベリサイン(VeriSign)のSSL事業を買収したシマンテックの証明書部門をも買収し、事実上の業界トップに君臨しています。世界180か国以上、フォーチュン500企業の多くがDigiCertの証明書を利用しており、「証明書といえばDigiCert」 と呼ばれるほどの存在感があります。

実務上は、「会社のウェブサイトにHTTPSを導入したい」「EDIや社内システムのサーバー証明書を管理したい」という場面で選定候補に上がる企業です。直接契約のほか、代理店(リセラー) 経由で購入できるケースも多く、国内ではさくらインターネット・GMO・日本ベリサインなどが取り扱いを行っています。


DigiCertが発行する証明書の種類

DigiCertは用途・信頼レベル・対象ドメイン数などに応じてさまざまな証明書を提供しています。

種類検証レベル主な用途
DV証明書(ドメイン認証)ドメイン所有確認のみ個人サイト・ブログ
OV証明書(組織認証)企業・組織の実在確認企業サイト・ECサイト
EV証明書(拡張認証)厳格な企業審査金融機関・大手ECなど
ワイルドカード証明書OV/DVと組み合わせ*.example.com 形式
マルチドメイン(SAN)証明書OV/EVと組み合わせ複数ドメインをまとめて管理
コードサイニング証明書ソフトウェア署名用アプリ・ドライバの配布
クライアント証明書個人・端末の認証VPN・社内システムログイン

証明書の「検証レベル」の覚え方

検証レベルは 「D(ドメインのみ)→O(組織も見る)→E(エリート審査)」 と段階的に厳しくなると覚えるといいよ!EV証明書は取得に数日〜数週間かかるけど、それだけ信頼性が高い証拠です。

EV証明書とは

EV(Extended Validation)証明書 は、認証局が申請企業の登記情報・電話番号・物理的所在地まで確認する最高レベルの証明書です。かつてはブラウザのアドレスバーに企業名が緑色で表示されていましたが、現在は多くのブラウザでその表示は廃止されました。ただし証明書情報(🔒をクリック)には企業名が記載されており、フィッシング対策として有効です。


歴史と背景

  • 2003年 — DigiCert, Inc. がユタ州リーハイに設立。当初はEV証明書の標準化に積極的に参加し、業界標準づくりをリード
  • 2010年代前半 — クラウドサービスの普及とともに証明書需要が急増。企業向けの証明書管理プラットフォーム(CertCentral)を強化
  • 2017年 — シマンテックの証明書事業(旧ベリサイン)を約9.5億ドルで買収。業界トップの地位を確立
  • 2018年 — Chromeがシマンテック発行の旧証明書を不信任に。DigiCertへの移行が世界規模で行われ、ブランド統合が加速
  • 2019年〜 — IoT機器・コード署名・電子メール証明書(S/MIME)など証明書の多様化に対応。自動化ツール(ACME対応など)も整備
  • 2022年〜 — 量子コンピュータ時代を見据えたポスト量子暗号(PQC) への対応を表明。証明書の有効期限短縮(将来的に47日)への業界対応もリード

DigiCertと主要認証局の比較

SSL/TLS証明書を発行できる認証局(CA)は世界に複数あります。主要プレイヤーを比較してみましょう。

主要認証局(CA)の比較マップ 企業規模 × 用途の広さで整理 企業向け機能の充実度 ↑ 個人・小規模     大規模エンタープライズ ↑ DigiCert 世界最大級のCA EV/OV/DV・PKI管理 Sectigo 旧Comodo CA 低コスト・量販型 GlobalSign 欧州系・IoT強み 日本GMO傘下 Let's Encrypt 無料・自動・DV限定 個人・OSS向け ★ エンタープライズ No.1
認証局特徴価格帯向いている組織
DigiCert信頼性・管理機能が最高水準高め大企業・金融・官公庁
Sectigo(旧Comodo)低コストで量が多い低〜中中小企業・スタートアップ
GlobalSignIoT・欧州に強いグローバル展開する企業
Let’s Encrypt無料・DV限定・自動更新無料個人・OSS・小規模サイト
JPRS / サイバートラスト国内向け・日本語サポート中〜高官公庁・国内金融機関

DigiCertの証明書管理プラットフォーム「CertCentral」

DigiCertが提供する CertCentral は、企業が保有するSSL/TLS証明書を一元管理できるクラウドダッシュボードです。情シス担当者が「どの証明書がいつ期限切れになるか」「どのサーバーにどの証明書が入っているか」を管理するのに使います。

CertCentral のおもな機能
─────────────────────────────────────
 ✅ 証明書の発行・更新・失効(ワンクリック)
 ✅ 期限切れアラート通知
 ✅ 複数ドメイン・部署横断の一元管理
 ✅ ACME プロトコルによる自動更新
 ✅ API連携(CI/CDパイプラインへの組み込み)
 ✅ 監査ログ・コンプライアンスレポート
─────────────────────────────────────

証明書の「うっかり期限切れ」はウェブサービス停止や顧客への警告画面表示につながる深刻な事故です。CertCentralのようなプラットフォームを使うことで、管理漏れを防げます。


関連する規格・RFC

規格・RFC番号内容
RFC 5280X.509証明書とCRL(証明書失効リスト)の基本仕様
RFC 8555ACME(自動証明書管理環境)プロトコル
RFC 6960OCSP(オンライン証明書状態プロトコル)
CA/Browser Forum Baseline Requirements認証局が証明書発行時に守るべき業界基準
WebTrust for CAs認証局の運用を第三者監査する国際基準
FIPS 140-2/3暗号モジュールのセキュリティ要件(HSM等)

関連用語