自己回帰モデル じこかいきもでる
自己回帰モデルAutoregressive Modelテキスト生成GPT次トークン予測言語モデル
自己回帰モデルについて教えて
自己回帰モデルとは
自己回帰モデル(Autoregressive Model) は、過去の出力を入力として使いながら次の出力を逐次的に生成するモデルです。テキスト生成では「これまでに生成したトークン系列を条件に、次のトークンの確率分布を予測」し、その確率に従ってトークンをサンプリングすることを繰り返します。
数式で表すと:P(x_t | x_1, x_2, ..., x_{t-1}) ——時刻 t のトークンが、それ以前のすべてのトークンを条件にして決まることを表します。これが「自己(自分自身)を回帰(参照する)」という意味です。
GPT系の大規模言語モデル(LLM)はすべて自己回帰モデルです。学習時は「正解のトークン列を見ながら次のトークンを予測する(Teacher Forcing)」、推論時は「自分が生成したトークンを使って次のトークンを予測する」という動作をします。
自己回帰生成の流れ
プロンプト: "今日の天気は"
Step 1: P(? | "今日の天気は") → "晴れ" を選択
Step 2: P(? | "今日の天気は晴れ") → "です" を選択
Step 3: P(? | "今日の天気は晴れです") → "。" を選択
Step 4: P(? | "今日の天気は晴れです。") → <EOS> を選択(終了)
出力: "今日の天気は晴れです。"
歴史と背景
- 1980年代〜:時系列統計モデル(ARIMA等)で自己回帰の概念が使われていた
- 2013年:RNNベースの言語モデルが自己回帰でテキスト生成
- 2018年:OpenAIのGPTがTransformerベースの自己回帰言語モデルを提案
- 2020年:GPT-3(1750億パラメータ)が自己回帰生成でチャット・コード生成など驚異的な能力を示す
- 2022年以降:ChatGPT・Claude・Geminiなど現在の主要LLMすべてが自己回帰モデル
自己回帰 vs 非自己回帰モデル
| 項目 | 自己回帰モデル | 非自己回帰モデル |
|---|---|---|
| 生成方法 | 1トークンずつ逐次生成 | 全トークンを並列生成 |
| 生成品質 | 高い(文脈の一貫性) | やや低い(独立性の仮定) |
| 生成速度 | 遅い(並列化困難) | 速い |
| 代表モデル | GPT・Claude・Llama | BERT(生成用途外)・並列デコーダ |
サンプリング戦略
| 戦略 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| Greedy | 最高確率のトークンを選ぶ | 決定的・単調になりやすい |
| Top-k Sampling | 上位k個からランダムサンプリング | 多様性と品質のバランス |
| Top-p(Nucleus)Sampling | 累積確率がpを超える上位から選択 | より自然な文章生成 |
| Temperature | 確率分布の鋭さを調整 | 高い→多様、低い→集中 |
関連用語
- Seq2Seq — 自己回帰デコーダを使うエンコーダデコーダ構造
- 自己注意機構(Self-Attention) — 現代の自己回帰モデル(GPT等)の中核
- RNN(再帰型ニューラルネットワーク) — 初期の自己回帰テキスト生成で使われたモデル
- 時系列予測 — 自己回帰の考え方が応用されるタスク