ANCHORED.TECH — Interactive Physics
万物は
揺れている
たったひとつの方程式が、宇宙のすべての揺れを記述する
- 波動方程式 — 宇宙を記す一式
- 進行波 — 形を保ったまま走る
- 反射と定在波 — 境界が生む音階
- 干渉 — 波が重なるとき
- ソリトン — 崩れない孤独な波
- 弦を弾く — 1次元波のインタラクティブ体験
ANCHORED.TECH © 2025 KOBESOFT
波動方程式 — 宇宙を記す一式
ギターの弦を弾いた瞬間を想像してください。弦の一点が上に持ち上がると、両隣の点に引っ張られて元に戻ろうとします。「曲がっているほど、強く引き戻される」——この単純なルールが波動方程式の正体です。
∂²y ∂²y ——— = c²·——— ∂t² ∂x² 左辺: その点の「加速度」(どれだけ速く動き始めるか) 右辺: 波形の「曲率」× c²(どれだけ急カーブしているか)
右の図を見てください。↓ ピンク矢印 は「峰では下に引き戻される」、↑ 緑矢印 は「谷では上に引き戻される」を表しています。この復元力が連鎖して、波が空間を伝わっていきます。
音波・水面波・電磁波・地震波——見た目はまったく違うのに、すべて同じ方程式で記述されます。違いは c(波の速さ)と媒質だけです。
方程式を解くと、答えは「右向きの波 + 左向きの波」というシンプルな形になります。
y(x, t) = F(x − ct) + G(x + ct)
↑右へ速さc ↑左へ速さc ダランベールの公式——あらゆる波はこの2種類の進行波の組み合わせで説明できます。
解 — 進行波
波動方程式の最もシンプルな解は、正弦波が一方向へ進む「進行波」です。時間が経つにつれて波形全体がスライドし、その速さがちょうど c になります。
y(x, t) = A · sin(kx − ωt)
A : 振幅 — 波の高さ(音なら音量、光なら明るさ)
λ : 波長 — 山から山の距離(右図の ←λ→ 矢印)
k : 波数 = 2π/λ(1メートルに何波あるか)
ω : 角周波数 = 2πf(1秒に何回振動するか) 位相 kx − ωt が一定になるように x が増えれば、波形は右へ動きます。その速さは v = ω/k = c。
「波が進む」とは、波形の形は変わらず、ただ位置がスライドするだけです。媒質(弦や空気)は前後に振動しているだけで、水平には動いていません。
境界条件 — 反射と定在波
壁に固定された弦の端は動けません(y = 0)。波がこの固定端に衝突すると、この条件を守るために逆位相の反射波が生まれます。
右向き進行波(青)と左向き反射波(紫)を足し合わせると、加法定理の計算によって:
y = −2A · cos(kx) · sin(ωt)
↑空間だけの関数 × ↑時間だけの関数 x と t が分離されました。「どこが振動するか」は cos(kx) で決まり、「いつ最大になるか」は sin(ωt) で決まります。
この波は「進まない」——すべての点が一斉に同じリズムで振動します。cos(kx) = 0 になる点(節 ●)は永遠に静止し、ギターのフレットが押さえる音の倍音がまさにこの仕組みです。
重ね合わせ — 干渉
池に石を2つ落とすと、2つの波紋が広がって重なり、複雑な模様を作ります。これが干渉です。
波動方程式は線形なので「解の和もまた解」——2つの波は互いを変形させず、ただ値を足し合わせます。
山 + 山 = 2倍に大きな山(強め合い) 山 + 谷 = 打ち消してゼロ(弱め合い)
2つの波源から等距離の線上は常に強め合い、その差が半波長の線上は常に弱め合います。この縞模様が干渉パターンです。
右の図をクリックして波源を追加してみましょう(最大 6 点)。波源の数が増えるほど、パターンが複雑になります。
線形の例外 — ソリトン
通常の波は広がりながら崩れていきます。長い波長は速く、短い波長は遅く伝わる(分散)ため、時間とともに波形が壊れるのです。
ところが 1834年、スコットランドの技師ジョン・スコット・ラッセルは運河で不思議な現象を目撃しました。ボートが止まった瞬間、孤立した波が形を保ったまま何キロも進んでいった——これがソリトン(孤立波)の発見です。
媒質のわずかな非線形性が、ちょうど分散と釣り合って波形の崩壊を防ぎます。KdV 方程式のソリトン解は sech² 型。
右の図では速い波(高い・細い)が遅い波(低い・広い)に追いつき、衝突後も両者が完全に元の形ですり抜けます。これは線形の波には起こらない非線形の奇跡です。
弦を弾く
両端を固定した弦は、波動方程式にしたがって振動します。指で弦を引っ張ると波が伝わり、両端で反射して何度も重なり合います。
∂²u/∂t² = c² ∂²u/∂x²
波速を上げると波が速く伝わります。減衰を加えるとエネルギーが徐々に失われ、やがて弦は静止します。
右のキャンバスをクリック・ドラッグして弦を自由に弾いてみてください。
∂²y/∂t² = c²∂²y/∂x²
弦の振動から電磁波まで——たったひとつの方程式が宇宙のすべての揺れを記述する。
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