ANCHORED.TECH — Interactive Mathematics
美しい
三角関数の
世界
角度から始まり、宇宙の構造へ至る数学の旅
- 三角形と角度の誕生
- 単位円 — 角度を位置で見る
- 周期関数 — 世界は波でできている
- 加法定理 — 角度の足し算の美しさ
- フーリエ級数 — 波の万能性
- オイラーの公式 — 数学史上最大の等式
- 直交変換と回転行列
- リサジュー図形 — 二つの波が描く芸術
ANCHORED.TECH © 2025 KOBESOFT
三角形と角度の誕生
三角関数の歴史は古代エジプト・ギリシャにさかのぼる。ピラミッドを測り、星の位置を計算するために、人々は「角度と辺の比」を必要とした。
直角三角形において、角度 θ を持つ頂点から見た三辺の比は θ だけで決まる。この比に名をつけたのが三角比だ。
sin θ = 対辺 / 斜辺 cos θ = 隣辺 / 斜辺 tan θ = 対辺 / 隣辺
ピタゴラスの定理より sin²θ + cos²θ = 1 —— これは三角関数の根本恒等式だ。
単位円 — 角度を「位置」で見る
直角三角形だけでは 90° を超えた角度を扱えない。そこで登場するのが単位円——半径 1 の円だ。
原点中心の単位円上の点 P を考える。原点から P への角度を θ とすると、P の座標は (cos θ, sin θ) と定義できる。
P = (cos θ, sin θ) cos θ = P の x 座標 ← 水平成分 sin θ = P の y 座標 ← 垂直成分
これにより sin・cos の定義域が全実数に広がる。点が一周すると元に戻る——これが周期性の起源だ。
周期関数 — 世界は波でできている
三角関数は波だ。音・光・電磁波・地震波——自然界の波動現象のほぼすべてが sin や cos で記述できる。
y = A · sin(ωx + φ) A : 振幅(波の高さ) ω : 角周波数 → 周期 T = 2π/ω φ : 位相(波のずれ)
波を重ね合わせると複雑な波形が生まれる。この発見がやがてフーリエ級数へと発展する。
加法定理 — 角度の足し算の美しさ
「sin(α + β) はいくつか?」答えは sin α + sin β ではない。
sin(α + β) = sinα cosβ + cosα sinβ cos(α + β) = cosα cosβ − sinα sinβ
右の棒グラフを見てほしい。sin(α+β) の高さは、sinα·cosβ と cosα·sinβ という二つの成分が足し合わさってできている。
これを α = β とすれば倍角公式が生まれる。加法定理は三角関数のあらゆる公式の源泉だ。
フーリエ級数 — あらゆる波形を三角関数で
1807年、フーリエは衝撃的な主張をした——「どんな周期関数も sin と cos の無限和で表せる」。
矩形波のフーリエ展開:
f(x) = (4/π)[ sin(x)
+ sin(3x)/3
+ sin(5x)/5 + … ] 回転する円(エピサイクル)を重ねると波形が生まれる。シアンの波が近似、ゴールドの線が理想の矩形波だ。
オイラーの公式 — 数学史上最大の等式
オイラーは複素指数関数と三角関数の間に驚くべき橋をかけた。
eiθ = cos θ + i · sin θ
複素平面上で eiθ は単位円上の点を表す。θ = π を代入すると:
eiπ + 1 = 0 e(自然対数の底) i(虚数単位) π(円周率) 1(乗法単位元)0(加法単位元)
五つの最重要定数が一本の式に収まる。点は反時計回りに回転し、θ=π で実軸の −1 に到達する。
直交変換と回転行列
平面上の点 (x, y) を原点の周りに角度 θ だけ回転した点 (x', y') は行列で表せる。
⎡x'⎤ ⎡cosθ −sinθ⎤ ⎡x⎤ ⎣y'⎦ = ⎣sinθ cosθ⎦ ⎣y⎦
正の θ は反時計回りの回転を意味する。図形(F 字)が θ の増加とともに反時計回りに回転することを確認しよう。
RᵀR = I (逆行列 = 転置行列) det(R) = cos²θ + sin²θ = 1
リサジュー図形 — 二つの波が描く芸術
x・y 方向にそれぞれ異なる周波数の sin 波を与えた時に描かれる軌跡をリサジュー図形という(1857年)。
x(t) = sin(a·t + δ) ← 上の波形 y(t) = sin(b·t) ← 左の波形 a:b が有理数比 → 閉じた曲線 a:b が無理数比 → 無限に密になる
上端と左端の小さなグラフは、それぞれ x(t) と y(t) の波形をリアルタイムで示している。二つの波の「交点」が本体の軌跡を描く。
eiπ + 1 = 0
三角形の辺の比として生まれた sin と cos は、単位円→波→フーリエ変換→オイラーの公式→回転行列と、数学と物理の至る所に姿を現す。
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