大学・研修の講義配信
講師のカメラと、補正した板書の映像を 1 つの画面に合成して配信します。字幕と翻訳を付け、講義はそのまま録画して後から見返せるようにします。
- 合成
- 板書の補正
- 字幕・翻訳
- 予約録画
SENCA(センカ)は、ライブ配信・録画・ビデオ会議をまとめて扱う映像のシステムです。複数のカメラや PC の映像を組み合わせ、字幕を付けて届け、そのまま録画として残します。Apache License 2.0 で公開しているので、無料で使えます。
SENCA とは
映像を配信するには、受け取る仕組み、合成や字幕を加える仕組み、視聴者に届ける仕組み、録画を残す仕組みが要ります。ふつうは別々の製品を組み合わせて作りますが、SENCA はこれを 1 つのソフトウェアでこなします。
ビデオ会議のルームも同じサーバーで動くので、会議をそのまま配信したり録画したりするのも簡単です。操作は管理画面からも、REST API からも行えます。
取り込む
SENCA で処理する
1 台でも、複数台のサーバーでも同じ仕組みで動きます。
届ける
止められない映像配信
SENCA は複数のサーバーで動かせます。どこかのサーバーが止まると、そこで動いていた合成やビデオ通話のルームは、残りのサーバーへ自動で移って動き続けます。サーバーを足せば、扱える配信の数も増やせます。
複数のサーバーを 1 つにまとめるこの仕組みを、SENCA では「グリッド」と呼んでいます。詳しくはアーキテクチャのページで説明しています。
ただし、配信者が直接つないでいるサーバーが止まった場合は、その配信はいったん途切れます。配信者がほかのサーバーへつなぎ直せば、そこから続きます。
複数のソースを組み合わせる
会場のカメラ、スライドを映した PC、天井のネットワークカメラ。いま使っている機材をそのまま SENCA につなげます。受け取った映像はサーバーの上で 1 つの画面に合成し、切り替えながら配信できます。
合成はサーバーで動くので、操作する人のパソコンが止まっても配信は止まりません。
OBS や FFmpeg、RTMP・SRT に対応した機材から。PC の画面やスライドもこの経路で送れます。
RTMP / RTMPS · SRT
RTSP のカメラや、ほかのサーバーの映像を SENCA のほうから取りに行きます。
RTSP · RTMP · SRT · HLS
Android・iPhone・iPad の配信アプリから送れます。アプリを入れなくても、ブラウザーから WebRTC で配信できます。
SRT · RTMP · WHIP(WebRTC)
USB カメラやキャプチャカード、音声機器を、そのまま入力に使えます。
V4L2 · DeckLink · ALSA
リッチな表現をリアルタイムに
合成した画面に、話した言葉の字幕と翻訳を重ね、遅れの小さい方式で届けます。双方向のビデオ会議も同じシステムで扱えます。
1 つの配信を、複数の方式で同時に届けられます。
| 方式 | 向いている相手 | 特徴 |
|---|---|---|
| HLS | ブラウザー・スマホなど、多くの機器 | 最も広く使われている方式です。普通の Web ページと同じ HTTP で届けます。 |
| LL-HLS | HLS で遅れを小さくしたいとき | HLS をさらに細かく区切った方式です。 |
| WebRTC(WHEP) | やり取りのある配信・遠隔での確認 | ビデオ通話と同じ技術で、遅れが最も小さい方式です。 |
| RTMP・SRT・RTSP | 放送機材・ほかのサーバー | 受け取った形のまま転送します。 |
| MoQ・HTTP/3 | 新しい方式を試したいとき | 標準化が進んでいる Media over QUIC です(対応している仕様は draft-22)。 |
| 配信サービスへの同時送信 | YouTube などでも同時に流したいとき | RTMP・SRT で受け付けるサービスへ送れます。Cloudflare Stream・Amazon IVS・AWS Elemental MediaLive では、受け付け先の作成と削除まで SENCA が行います。 |
アーカイブ
ライブ配信と同時に録画し、終わればすぐ VOD として見られます。保存する期間や保管先も決めておけるので、講義や社内放送のアーカイブをそのまま運用できます。
管理画面
SENCA には管理画面が付いています。配信の作成と状態の確認、ライブのプレビュー、合成のパイプラインづくり、スイッチャー、録画と予約まで、ブラウザーから操作できます。同じことは REST API でもできるので、自社のシステムに組み込むときも同じ考え方で扱えます。
組み合わせの例
止まりにくさ、複数のソース、字幕やリアルタイム性、アーカイブ。必要な条件を選んで組み合わせられます。下は使い方の例で、特定のお客さまの事例ではありません。
講師のカメラと、補正した板書の映像を 1 つの画面に合成して配信します。字幕と翻訳を付け、講義はそのまま録画して後から見返せるようにします。
複数のカメラを取り込み、スイッチャーでシーンを切り替えます。自社のサイトに配信しながら、同時に外部の配信サービスへも送ります。
期限付きの URL で社内だけに配信し、録画は保存期間を決めて管理します。残すべき録画には法的保全をかけます。
社内のビデオ会議システムとして使ったり、自社のアプリにビデオ会議のルームを組み込んだりできます。会議は参加者ごとの映像と、1 画面にまとめた映像の両方で録画できます。
拠点のネットワークカメラの映像を集め、決まった時間に録画します。一定の間隔で静止画も保存できます。
どこに置くかは、用途と予算で決められます。
オープンソースと導入サポート
SENCA は Apache License 2.0 で公開しています。ライセンス料はかからず、ソースコードはすべて GitHub で読めます。
自分たちで組み上げることもできますし、機材選びから構築、アプリへの組み込みまで、神戸ソフトに任せていただくこともできます。
現在の版は v0.0.1 です。サーバー本体に加えて、管理画面、ブラウザーの配信ページ、Android と iOS・iPadOS・macOS の配信アプリをリポジトリで公開しています。版ごとの変更は、変更履歴にまとめています。
変更履歴を見る ↗H.264・H.265・AAC には特許プール(特許の権利をまとめて扱う団体)があるため、SENCA はこれらを変換するソフトウェアを同梱していません。H.264・H.265 の変換は、実行時に GPU メーカーの SDK(NVIDIA・Intel・AMD・VA-API)を読み込んで行います。受け取った H.264・AAC をそのまま配信・録画するだけなら、GPU は要りません。AV1・VP8・VP9・Opus はソフトウェアで変換します。配信するコンテンツにかかるライセンス料は、利用する側でご確認ください。
コーデックと特許の方針を詳しく →