エッジロケーション えっじろけーしょん
簡単に言うとこんな感じ!
ユーザーの近くに置いたキャッシュサーバーの拠点のこと。東京にいる人が海外のサーバーに毎回アクセスしなくていいよう、近場にデータを置いておく「中継キャッシュ倉庫」みたいな存在だよ。
エッジロケーションとは
エッジロケーションとは、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を構成するために、世界各地のユーザーに近い場所に設置されたキャッシュ・中継拠点のことです。「エッジ(Edge)」とはネットワークの端、つまりユーザーに最も近い部分を指します。
クラウドサービスのオリジンサーバーは特定のリージョン(地域)に集中していますが、エッジロケーションはその数十倍〜数百倍の拠点数を持ちます。たとえばAWSのCloudFrontは世界600か所以上のエッジロケーションを持っており、日本国内だけでも複数のPoP(Point of Presence)が存在します。
エッジロケーションの主な役割はレイテンシの低減です。ユーザーのリクエストに対して、物理的に近いエッジロケーションのキャッシュから応答することで、オリジンサーバーまでの長距離通信を省略し、Webページや動画の表示を高速化します。
エッジロケーションの仕組み
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 初回アクセス | ユーザーのリクエストが最寄りのエッジロケーションに届く |
| 2. キャッシュミス | エッジにキャッシュがなければオリジンサーバーへ転送 |
| 3. レスポンスをキャッシュ | オリジンからの応答をエッジロケーションに保存 |
| 4. 2回目以降のアクセス | エッジのキャッシュから直接応答(オリジン不要) |
| 5. TTL切れ | キャッシュ有効期限が来たら再度オリジンから取得 |
主要クラウドのエッジロケーション比較
| クラウド | サービス名 | エッジ拠点数(目安) |
|---|---|---|
| AWS | CloudFront / Global Accelerator | 600か所以上 |
| Azure | Azure CDN / Front Door | 190か所以上 |
| Google Cloud | Cloud CDN / Media CDN | 200か所以上 |
| Cloudflare | CDN(独立系) | 300都市以上 |
歴史と背景
1990年代後半、インターネットの普及に伴ってWebサーバーへのアクセスが集中し、レスポンスが遅くなる「スラッシュドット効果」や「フラッシュクラウド」と呼ばれる問題が頻発しました。
これを解決するため、1998年にMITの研究から生まれたAkamai TechnologiesがCDNビジネスを開始し、エッジロケーションの概念を商業化しました。2006年にAWSがEC2をリリースし、2008年にはCloudFrontとしてCDNサービスを開始。クラウド各社がこれに追随し、エッジロケーションは現在のクラウドインフラの重要コンポーネントになっています。
近年はキャッシュだけでなく、エッジでコードを実行するエッジコンピューティングへの進化も進んでいます。
エッジロケーションとリージョン・AZの違い
リージョンはコンピュートやデータベースなど主要サービスを実行する拠点、AZはその中の物理データセンター群、エッジロケーションはユーザーに最も近いキャッシュ拠点です。三者は役割が異なります。
関連する規格・RFC
特定の標準化された仕様はありませんが、関連する技術標準として以下があります。
| 規格 | 内容 |
|---|---|
| RFC 7234 | HTTPキャッシュの動作仕様 |
| RFC 8246 | HTTPのimmutableレスポンス拡張 |
| RFC 9111 | HTTPキャッシュ(RFC 7234を更新) |
関連用語
- CDN — エッジロケーションを使ったコンテンツ配信ネットワーク全体
- CloudFront・Azure CDN・Cloud CDN — 各クラウドのCDNサービス
- オリジンサーバー — エッジに対してコンテンツの元を提供するサーバー
- CDNキャッシュ戦略・TTL — キャッシュの有効期限設計
- エッジコンピューティング — エッジロケーションでコードを実行する仕組み