IoT・エッジ

BLE(Bluetooth Low Energy) びーえるいー

BluetoothIoT近距離無線通信ビーコンウェアラブル省電力
BLEについて教えて

簡単に言うとこんな感じ!

BLEは「超省電力版のBluetooth」だよ!コイン電池1個で何年も動くくらい消費電力が少なくて、スマートウォッチや体温計、お店のビーコンなんかに大活躍してるんだ。「たくさんのデータは送れないけど、長持ちする」って感じの通信方式だよ!


BLE(Bluetooth Low Energy)とは

BLE(Bluetooth Low Energy)とは、近距離無線通信技術「Bluetooth」の一種で、消費電力を極限まで抑えることに特化した通信規格です。日本語では「低消費電力Bluetooth」とも呼ばれ、Bluetooth 4.0として2010年に正式に標準化されました。

従来のBluetoothが音楽ストリーミングや通話などの「大きなデータを継続的に送る」用途向けだったのに対し、BLEは「少量のデータを間欠的に送るだけでよい」センサーやIoT機器に最適化されています。コイン電池(CR2032など)1個で数ヶ月〜数年間動作できるのが最大の特徴です。

スマートフォンをはじめとする現代のモバイル端末にはほぼ標準搭載されており、スマートウォッチ・フィットネストラッカー・店舗ビーコン・スマート家電・医療用センサーなど、IoTの世界で欠かせない通信技術となっています。


BLEの構造と仕組み

BLEの通信は大きく2つのモードで成り立っています。

モード概要使用例
アドバタイジングデバイスが定期的に自分の存在を周囲に発信する(一方向)ビーコン、位置情報タグ
接続通信2台のデバイスがペアリングしてデータをやり取りする(双方向)スマートウォッチ、血圧計

通信の役割は次の2種類に分かれます。

役割名称説明
データを持つ側ペリフェラル(Peripheral)センサー・タグなど小型デバイス
データを受け取る側セントラル(Central)スマートフォン・PCなど

覚え方:「BLEは電池長持ち=少ししか喋らない」

BLEが省電力な理由は、通信していない時間はほぼ完全にスリープ状態になるから。人間で言えば「用があるときだけ声をかけて、あとはずっと寝てる」イメージ。必要な瞬間だけ起きてパッとデータを送ったらすぐ眠る、その繰り返しで電池を節約しているんです。

従来Bluetoothとの比較

項目従来Bluetooth(Classic)BLE
消費電力比較的高い非常に低い
通信速度最大3Mbps程度最大2Mbps(実用は低め)
通信距離〜10m(クラス次第)〜10m〜100m
主な用途音楽・通話・ファイル転送センサー・ビーコン・ウェアラブル
電池寿命数時間〜数日数ヶ月〜数年

歴史と背景

  • 2006年 — フィンランドのNokiaが「Wibree」という低消費電力Bluetooth技術を発表。これがBLEの原型
  • 2010年 — Bluetooth SIGがBluetooth 4.0を策定し、Bluetooth Low Energyとして正式に標準化
  • 2011〜2012年 — iPhoneやAndroid端末への搭載が始まり、スマートフォンのエコシステムが整う
  • 2013年 — AppleがiBeaconを発表。店舗でのビーコンマーケティングが注目を集める
  • 2016年 — Bluetooth 5.0で通信距離が最大4倍・速度が最大2倍に強化され、IoT用途がさらに広がる
  • 2019〜現在 — スマートタグ(AirTagなど)・コロナ禍での接触確認アプリ(COVID-19 接触通知)にBLEが採用され、一般認知度が急上昇

BLEと他の近距離無線技術の比較

IoT・近距離通信でよく比較される技術を整理しましょう。

近距離無線技術の比較マップ 通信距離(横軸)× 消費電力(縦軸) 通信距離 → 消費電力 → 近い 遠い 高い 低い Bluetooth Classic 〜10m / 高消費電力 音楽・通話・転送 BLE ★ 〜100m / 超低消費電力 センサー・ビーコン NFC 〜0.1m / 低消費電力 IC乗車券・決済 Wi-Fi 〜100m / 高消費電力 高速データ通信 LoRa / Zigbee 〜km / 超低消費電力 農業・広域IoT

BLEは「そこそこの距離」と「超低消費電力」を両立しており、スマートフォンと連携しやすい点で他の技術と一線を画しています。

実務でよく見るBLEの活用シーン

シーン具体例
ウェアラブルスマートウォッチ・歩数計・血圧計
資産追跡AirTag・Tile などスマートタグ
店舗マーケティング近づいたお客にクーポンを送るビーコン
スマートホーム鍵・照明・温湿度センサーの操作
医療血糖値センサー・体温計のデータ送信
接触確認新型コロナ接触通知アプリ(COCOA等)

関連する規格・仕様

規格・仕様内容
Bluetooth 4.0BLEが初めて正式に含まれたバージョン(2010年)
Bluetooth 4.2セキュリティ強化・IPv6対応強化(2014年)
Bluetooth 5.0通信距離4倍・速度2倍・ブロードキャスト容量8倍(2016年)
Bluetooth 5.3省電力化・接続効率をさらに改善(2021年)
iBeaconAppleがBLEをベースに策定したビーコン規格
EddystoneGoogleがBLEをベースに策定したビーコン規格

関連用語

  • Bluetooth — BLEの親規格。音楽・通話などの大容量通信に使われる従来型の近距離無線技術
  • IoT — モノがインターネットにつながる仕組み全般。BLEはIoTデバイスの通信手段として広く使われる
  • ビーコン — 位置情報や通知を周囲に発信する小型デバイス。多くがBLEを採用
  • NFC — 数cm以内の超近距離通信技術。決済・乗車券に使われる
  • Zigbee — BLEと同様の省電力近距離通信規格。スマートホーム機器に多い
  • LPWA — LoRaなど広域の低消費電力通信技術。BLEより広い範囲をカバーしたい場合の選択肢