クイックリファレンス

Webサイトを外注する
3分ガイド

CMS・ドメイン・費用相場・保守運用まで。発注前に押さえておきたい基礎知識

まず「何を作るか」を決める

上司に「うちのWebサイト、そろそろ作り直したい」って言われたんですけど、何から始めればいいんでしょう?
まず「どんな種類のサイトが必要か」を明確にすることが大事だよ。一口にWebサイトといっても、目的によって構成も費用も全然違うからね。
種類 目的 特徴 費用感
コーポレートサイト 会社・組織の紹介 会社概要・サービス・採用情報などを掲載。更新頻度は中程度 30万〜300万円
LP(ランディングページ) 特定の商品・サービスへの申込促進 1ページ完結。広告と組み合わせることが多い 10万〜80万円
ECサイト 商品の販売 カート・決済機能が必要。商品管理・在庫管理も伴う 50万〜500万円以上
予約サイト サービス予約の受付 カレンダー・空き管理・通知機能が必要。カスタム開発が多い 50万〜300万円
オウンドメディア/ブログ 情報発信・SEO集客 記事コンテンツが主体。更新のしやすさが重要 20万〜150万円
うちは飲食店なんですけど、お店の紹介ページとネット予約機能が両方ほしいです。この場合はどれになるんですか?
それは「コーポレートサイト+予約機能」の組み合わせだね。よくあるパターンは2つ。
  • 外部予約サービスを埋め込む(ホットペッパーや食べログの予約システムなど)——開発コストが低く、運用も楽。ただし手数料がかかる場合がある
  • 予約システムをオリジナルで開発する——自社でデータを持てる・カスタマイズ自由。ただし費用と保守コストが上がる
まずはベンダーに「外部サービス連携で対応できるか」を聞いてみるといいよ。ゼロから作るよりずっと安く済むことが多いからね。
なるほど。サイトの種類を決めたら、次は何を考えればいいですか?
次は「誰が日常的に更新・管理するか」を考えることが大事。それによって選ぶべきCMSが変わってくるんだ。
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CMSって何?

CMSっていう言葉をよく聞くんですけど、何のことですか?
CMS(Content Management System)は、プログラミング知識がなくてもWebサイトのコンテンツを編集・管理できるシステムのことだよ。ブログ記事を投稿したり、商品情報を更新したりするときに使う「管理画面」をイメージするとわかりやすい。
CMS名 特徴 向いているサイト 費用感(月額)
WordPress 世界シェアNo.1。カスタマイズ自由度が高い。プラグインが豊富 コーポレート・ブログ・ECなど幅広く サーバー代のみ(1,000〜5,000円/月)
Wix ドラッグ&ドロップで直感的に編集可能。初心者向け 小規模な紹介サイト・個人事業主 無料〜約3,000円/月
Shopify ECに特化。決済・在庫管理が充実。多言語・多通貨対応 ECサイト専用 約4,000〜9,000円/月
Squarespace デザインテンプレートが洗練されている。直感操作 ポートフォリオ・ブランドサイト 約1,600〜3,500円/月
フルスクラッチ
(CMSなし)
完全オリジナル開発。自由度が最も高い 独自要件が多いシステム・Webアプリ サーバー代+保守費(別途見積もり)
ベンダーから「WordPressで作りましょう」って言われることが多いですが、WordPressって何か注意点はありますか?
WordPressは確かに使いやすくて実績も多いんだけど、セキュリティ管理が重要っていう点は知っておいてほしい。世界中で使われているぶん、ハッカーの攻撃ターゲットにもなりやすいんだよね。プラグインやWordPress本体を定期的にアップデートしないと、セキュリティホールが生まれる。 だからWordPressを選ぶ場合は、「誰が定期メンテナンスを担当するのか」「費用はいくらか」を発注前に確認しておくことが大事だよ。
自分たちで更新できるかどうかって、どうやって判断すればいいんでしょう?
こう考えてみて。「担当者がExcelやGoogle スプレッドシートを普通に使える」なら、WordPressやWixの管理画面も大体使えるよ。テキストや画像の差し替えくらいは、慣れれば誰でもできる。 一方、「レイアウトを根本から変えたい」「新しい機能を追加したい」はエンジニアが必要。その境界線をベンダーと確認しておくといいね。
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ドメインとサーバーのきほん

ベンダーから「ドメインとサーバーはどうしますか?」って聞かれたんですが、これって何ですか?
ドメインとサーバーは、Webサイトを公開するために絶対に必要な2つのものだよ。
  • ドメイン:Webサイトの「住所」のこと。「example.co.jp」みたいなURL部分。年間で借りる仕組み(年間1,000〜5,000円程度)
  • サーバー:Webサイトのデータを置く「土地・建物」のこと。こちらも月額または年額で借りる(月額1,000〜10,000円程度)
ベンダーに「うちで一括管理しますよ」って言われたんですけど、それでいいんでしょうか?
ドメインは必ず自社名義で取得・管理することを強くすすめるよ。これは超重要なポイント。 ベンダー名義でドメインを取ってもらうと、そのベンダーと契約を終了したときに「ドメインを返してもらえない」「移管に時間とお金がかかる」というトラブルが起きやすい。ドメインはWebサイトの「看板」だから、所有権が自社にないと大変なことになる。 サーバーについては、ベンダーが管理してくれるサービス(マネージドホスティング)を使うのはアリ。ただしその場合も、「サーバーのログインID・パスワードなどの情報は自社でも管理できるか」を確認しておこう。
項目 年間費用の目安 ポイント
ドメイン(.co.jp) 3,000〜5,000円/年 必ず自社名義で取得・管理する
ドメイン(.com / .jp) 1,000〜2,000円/年 同上。更新忘れに注意(期限切れで失効する)
共有サーバー(レンタル) 1,200〜6,000円/年 小〜中規模サイト向け。管理が比較的楽
VPS・クラウドサーバー 12,000〜100,000円以上/年 大規模・高トラフィック向け。専門知識が必要
SSL証明書 0〜50,000円/年 「https://」で始まるセキュリティ。多くのサービスで無料提供あり
SSL証明書(httpsのやつ)は必須だよ。「http://」のままだとブラウザに「安全でないサイト」と表示されてしまう。最近は「Let's Encrypt」という無料の仕組みを使えば無料で対応できるので、ベンダーに確認してみて。
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制作費用の相場

Webサイトの制作費って、どれくらいが相場なんですか?ベンダーによって全然違う金額が来て、何が正しいのかわからなくて…
Webサイトの制作費は「規模」「機能」「デザインの複雑さ」によって大きく変わるから、一概には言えないんだよね。でも目安はあるよ。
規模感 ページ数の目安 制作費の目安 特徴
超小規模
(テンプレート活用)
5〜10ページ 10万〜30万円 既存テンプレートを使って短期間で制作。デザインの自由度は低い
小規模
(中小企業・店舗)
10〜20ページ 30万〜100万円 デザインをある程度カスタマイズ。WordPress等CMSで構築
中規模
(コーポレート・EC)
20〜50ページ 100万〜300万円 フルオーダーデザイン。多機能CMS・システム連携あり
大規模
(EC・ポータルなど)
50ページ以上 300万円〜 フルスクラッチ開発・複雑な機能要件・大量コンテンツ対応
同じ内容で見積もりを出してもらったのに、A社は80万円、B社は20万円って全然違うんですが、なぜですか?
見積もりが大きく違う場合、主にこんな理由が考えられる。
  • 制作体制の違い:A社は社内にデザイナーやエンジニアを抱えていて、B社は外注を多用している、など
  • 想定しているスコープの違い:B社は「テンプレート流用」で見積もっていて、A社は「フルオーダー」で見積もっている
  • 含まれるサービスの違い:公開後の保守費用・テスト費用・コンテンツ入力費用が含まれているかどうか
  • 会社の規模・ブランド力:実績が多い大手代理店は高め、フリーランスや小規模制作会社は安め
安い見積もりには「何が含まれていないか」を必ず確認してね。公開後の保守費用が0円の場合、何かあっても自分たちで対応しないといけない、ということだから。
複数のベンダーに見積もりを出してもらうときに、気をつけることはありますか?
一番大事なのは「同じ条件で比較すること」だよ。ざっくりした要件だけ伝えると、各社が勝手に解釈して全然違う前提で見積もってくる。 発注前に「RFP(提案依頼書)」とまでいかなくても、ページ数・主な機能・CMS要否・デザインの方向性・納期・想定する更新頻度くらいは文書にまとめて送るといいね。そうすることで見積もりが横並びで比較できるようになる。
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保守・運用費用を忘れずに

制作費用だけ予算に入れていたんですけど、公開後にもお金がかかるんですか?
かかる!これを忘れて予算オーバーになるケースはすごく多いよ。Webサイトは「作ったら終わり」じゃなくて、公開後も継続的にコストが発生するものなんだ。
費用の種類 目安(月額) 内容
サーバー・ドメイン費 1,000〜10,000円 サーバーのレンタル料とドメインの年間更新費
CMS・ツールのサブスク 0〜10,000円 有料プラグイン・フォームツール・アクセス解析ツールなど
保守管理費 5,000〜30,000円 WordPress等のアップデート対応、セキュリティ監視、バックアップ
コンテンツ更新費 10,000〜50,000円 記事制作・バナー制作・情報更新をベンダーに依頼する場合
SEO・広告費 0〜数十万円 検索エンジン対策や広告出稿費(任意)
保守管理って、自分たちでやることはできないんですか?
できる部分もあるよ。たとえばWordPressなら、管理画面からプラグインのアップデートボタンを押すくらいは誰でもできる。でも注意点として、アップデートで既存の機能が壊れることもあるから、更新前にバックアップを取るのが鉄則。 完全に自社でやるなら、最低でもこのくらいの作業が必要だよ。
  • 月1回以上:WordPressコア・プラグインのアップデート確認と適用
  • 週1回以上:サイトが正常に表示されているかの動作確認
  • 定期的:バックアップの取得と保存(自動化ツールを使うのが理想)
  • 随時:お問い合わせフォームの動作確認・スパム対策
「社内にその余裕がない」という場合は、月額保守契約をベンダーと結ぶのが現実的だよ。
ちなみにセキュリティインシデント(ハッキングや改ざん)が起きたあとの対応費用は、保守契約なしだと別途請求になることが多い。復旧作業だけで10万〜50万円かかることもある。保守契約コストとどちらが安いかを考えると、継続的な保守費用は「保険料」として考えておくといいよ。
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発注前に決めておく5つのこと

ベンダーに相談に行く前に、何を準備しておけばいいですか?何も決まっていない状態で相談に行っていいのかどうか不安で…
相談自体はまだ何も決まっていなくてもOKだよ。でもこの5つが整理されていると、話がぐっとスムーズになる。ベンダーからの見積もりも精度が上がるからね。

発注前に決めておく5つのこと

  1. サイトの目的とゴール

    「誰に、何を、どうさせたいか」を言葉にする。「問い合わせを月10件増やしたい」「採用応募を増やしたい」など、数値目標があるとなお良い

  2. ターゲットとなるユーザー

    「30〜50代の中小企業の経営者」「地元の主婦層」など、サイトを見てほしい人物像を明確にする。デザインや文章のトーンに直結する

  3. 必要なページ・機能のリスト

    トップページ、会社概要、サービス紹介、お問い合わせフォーム、ブログ…など、最低限必要なものをリストアップする。「あったらいいな」と「必須」を分けておく

  4. 予算の上限と運用体制

    制作費の上限と、公開後の月額費用として許容できる金額を決めておく。「誰が更新するか」「ベンダーに任せるか」も決めておく

  5. 納期・スケジュールの制約

    「○月のイベントまでに公開したい」「年度内に公開必須」など、外せない期日がある場合は最初に伝える。逆算して制作期間が確保できるか確認してもらう

参考にするWebサイトを集めておいたほうがいいですか?
それはかなり有効だよ!「こういうデザインが好き」「このサイトみたいな雰囲気にしたい」という参考URLを3〜5件まとめておくだけで、デザインの方向性についての認識齟齬がぐっと減る。 反対に「これはNG」という例を出しておくのも効果的だよ。「ごちゃごちゃしたデザインは避けたい」とか「古くさい印象は嫌」みたいなことも、具体的なサイトを指して伝えると伝わりやすい。
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まとめ

ここまで読んでくれてありがとう。要点をまとめるね。
  1. サイトの種類を決める——コーポレートサイト・LP・EC・予約など、目的に合った種類を選ぶ。複合的なニーズは外部サービス連携で安く解決できることも多い
  2. CMSを理解して選ぶ——WordPressは高機能で汎用的だが保守が必要。誰が日常的に更新するかによって最適なCMSは変わる
  3. ドメインは必ず自社名義で——ベンダー名義にしてしまうと後々トラブルのもと。ドメインとサーバーのアカウント情報は自社で管理する
  4. 制作費だけでなく運用費を予算に入れる——保守管理・サーバー・ツール費用など月1〜5万円程度の継続費用を見込んでおく
  5. 発注前に5項目を整理する——目的・ターゲット・機能リスト・予算・納期。これが揃うと見積もりの精度と比較のしやすさが上がる
「Webサイト担当、突然やることになった…」でも大丈夫。このガイドで基礎が分かれば、ベンダーとの打ち合わせでも臆せず話せるよ。見積書が届いたら「何が含まれていないか」を確認するクセをつけると、あとで困らないからね。