Webシステム発注初心者ガイド
第10話
振り返りとフェーズ2へ―システム担当者として学んだこと
今回のプロジェクトを振り返る
リリースから2ヶ月が経ち、システムも安定稼働してきた。
上司から「今回のプロジェクト、社内LTでシェアしてほしい」とリクエストが来たのを機に、改めて全体を振り返ってみた。
振り返りは「次のプロジェクトをうまくやる」ためにやるんだよ。
特に初めてのシステム発注では「やってみて初めてわかること」が山ほどある。それを記録しておかないと、次に同じ轍を踏む可能性が高いんだよね。
会社にとっても貴重なノウハウになるから、ぜひまとめておこうね。
うまくいったこと
1. スコープを絞ったこと
最初に「見積書だけ」に絞ったのは正解だった。300万円・4ヶ月で完成したが、もし発注受付や請求書を一緒に作っていたら、700万円・10ヶ月になっていた。まず1つを完成させて、現場の反応を見てから次を考えられた。
2. 要件定義書を作ったこと
面倒だったが、これがあったことで「バグか仕様変更か」の線引きができた。開発中の追加費用もほぼ発生しなかった。
3. 定例MTGを週次でやったこと
毎週の確認で、問題が小さいうちに対処できた。承認フローのバグも、中間デモで発見できたからこそ追加費用なしで修正してもらえた。
大変だったこと・反省点
1. データ移行の工数を読めなかった
顧客マスターの整理に予想外の時間がかかった。次回は「データ移行」を開発スコープに入れて、C社にも工数を見積もってもらうべきだった。
2. トレーニングが直前になった
リリース2週間前にトレーニングをやったが、もっと早く「使い方の説明会」を設けるべきだった。ユーザーがシステムに慣れる時間が短く、リリース直後の問い合わせが多くなった。
3. 非機能要件が薄かった
「レスポンスタイムは2秒以内」「同時に何人まで使える」といった性能要件を詳しく書いていなかった。今回は問題が出なかったが、大規模なシステムではここが原因で揉めることがある。
完璧なプロジェクトなんて存在しないよ。
大事なのは「反省点を次に活かすこと」だよ。初めてのシステム発注で、スケジュール内・予算内に完成させたのは、十分すごいことだからね。
プロのPMでも初めての業種・規模のプロジェクトでは同じような失敗をする。経験を積んで、少しずつ精度を上げていけばいいんだ。
システム担当者として学んだこと
今回のプロジェクトを通じて、「システム担当者」として大切なことが見えてきた。
1. 言語化する力が一番重要
「なんとなく欲しい」を「具体的な要件」に変える力。これがなければ、開発会社は動けないし、社内調整もできない。
2. 判断を止めないこと
開発中に「これ、どっちにしますか?」という質問が続々来る。即答できなくても、いつまでに回答するかをはっきり伝えること。判断を止めると開発が止まる。
3. 数字で話すこと
「大変そう」「難しそう」ではなく、「費用が300万増える」「期間が3ヶ月延びる」と数字で伝えると意思決定が早くなる。
4. 開発会社と「チーム」になること
「発注者と受注者」という関係ではなく、「同じゴールに向かうチーム」として接した方が、問題が起きたときに一緒に解決しようという姿勢になる。
フェーズ2へ向けて
フェーズ1のシステムが安定稼働し始めたところで、フェーズ2の検討を再開する時期が来た。
議事録に残した「フェーズ2として先送り」の項目:
- 発注受付・受注登録
- 請求書発行・入金管理連携
それが一番大事!経験を活かして、次はもっとスムーズにいくよ。
フェーズ2では、フェーズ1で構築した基盤があるから、連携も設計もやりやすくなるはずだよ。C社とも信頼関係が築けたし、コミュニケーションコストも下がってるしね。
今回の「Webシステム発注の旅」は一段落したけど、システム担当者としての旅は続いていく。これからも一緒に考えていこう!
まとめ:10話で学んだこと
| 話 | テーマ | 学んだこと |
|---|---|---|
| 第1話 | 担当者になった | システムを「作る人」ではなく「依頼して管理する人」 |
| 第2話 | SaaS検討 | まず既製品を試す。自社特有ルールが多ければカスタム開発 |
| 第3話 | スコープ決定 | 数字で示せば社内調整が動く。フェーズ分けは議事録に残す |
| 第4話 | 要件定義 | 「なんとなく欲しい」を言語化する。社内承認してから発注 |
| 第5話 | 開発会社選定 | 価格より実績・体制・コミュニケーション。RFPで比較する |
| 第6話 | 契約 | 請負vs準委任を理解。著作権・検収条件は必ず明記 |
| 第7話 | 開発中 | 変更は記録する。遅れの報告は喜んで受け取る |
| 第8話 | テスト・検収 | UATは発注者の仕事。バグは再現手順と重要度で報告 |
| 第9話 | リリース | データ移行・トレーニングを忘れずに。リリースは月初め |
| 第10話 | 振り返り | 反省点を次に活かす。完璧なプロジェクトより、学ぶ経験 |