Webシステム発注初心者ガイド

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リリース―本番へ、いよいよ公開

リリース前にやること

検収が完了した翌日、C社から「本番リリースの準備に入ります」と連絡が来た。

「検収OKならもう完成じゃないの?」と思っていたら、リリース前にやることがまだたくさんあった。

テストが終わって検収OKが出たのに、まだ準備があるの?

テスト環境での確認はできたけど、本番環境は別物なんだよね。リリース前に確認することが色々あるよ。

リリース前チェックリスト

  • 本番サーバーの準備:サーバーの設定・ドメイン・SSL証明書
  • データ移行:既存の顧客マスターや製品データを本番DBに投入
  • ユーザー登録:実際に使う8名分のアカウント作成
  • 最終動作確認:本番環境でも主要機能が動くか確認
  • バックアップ設定:データが消えたときの復元手順
  • 障害連絡フロー:何かあったときC社にどう連絡するか

データ移行という難関

意外と手間がかかったのがデータ移行だ。

既存の顧客マスターはExcelファイルに散らばっていた。8人分の担当者が持つExcelを集めて統合しようとしたら、フォーマットがバラバラで、重複している顧客も多かった。

顧客データを1つにまとめるだけで2日かかった……これって普通なの?

普通というか、よくある落とし穴だよ。

データクレンジング(データの整理・統一・重複除去)は、システム開発の見積もりで軽く見られがちだけど、実際はかなりの工数がかかるんだ。

今回のように発注者側でExcelを整理する場合も、C社にCSVを渡してDBへ投入してもらう場合も、事前に「どのフォーマットで何件のデータを移行するか」を確認しておくべきだったね。

次回以降のシステム化があれば、「データ移行」も開発スコープに明示することをオススメするよ。


社内向けトレーニング

リリース2週間前、社内でトレーニングを実施した。

C社が操作マニュアルを用意してくれたが、8ページのPDFを渡しても誰も読まないのが現実。なので、実際に全員で画面を触りながら「見積書を1件作って申請する」操作を30分でやってもらうことにした。

「マニュアルを読んでください」じゃダメなの?

読まない人が多い、というのが現実なんだよね。

ハンズオン形式(実際に手を動かしてもらう)の方が定着率が高いよ。操作を一緒にやりながら「ここはこうする」「こういうときはこのボタン」という説明の方が身につくから。

さらに、「よくある質問」をまとめたQ&Aを別途作っておくと、リリース後の問い合わせが大幅に減るんだ。今回は主な操作を画面キャプチャ付きでまとめた1枚ものチートシートを配ったら好評だったよ。


リリース当日

リリース当日は月曜の朝を選んだ。週の最初の方が「問題が出ても修正の時間がある」からだ。

C社が本番環境への切り替えを実施し、午前9時に「リリース完了しました」の連絡が入った。

その日の午後には、早速「あれ、この操作ってどうするんでしたっけ?」という質問が数件来た。想定内だ。

リリースできた!でも不安で……何か問題が起きたらどうすればいいの?

まずは深呼吸してね。リリース直後に多少の混乱が起きるのは普通のことだよ。

やっておくといいこと

  1. C社との緊急連絡フロー確認:「本番で動かなくなった」場合の連絡先と対応時間
  2. リリース後1〜2週間は様子見:通常業務を止めるほどの問題でないか確認
  3. フィードバック収集:使ってみて気になった点をメモしてもらう

「致命的なバグ」と「改善要望」は分けて管理しよう。バグは即対応、改善要望はフェーズ2以降のリストへ。


リリース後1ヶ月

1ヶ月後、現場から声が届いた。

「前は見積書を送るまで平均3日かかっていたのが、1日以内で出せるようになりました」

「承認がどこで止まっているかリアルタイムでわかるようになって、催促しなくてよくなった」

Excelでの作業時間が減った分、営業が顧客対応に使える時間が増えたと営業部長も喜んでいた。

苦労したけど、やってよかった!みんなに喜んでもらえたわ!

お疲れさまでした!でも、まだ旅は終わっていないよ。

フェーズ2で先送りにした「発注受付・請求書発行」もあるし、何よりシステムは作って終わりじゃなく、使い続けることで価値が出るんだよね。

最終回は、今回のプロジェクト全体を振り返って、次に活かすポイントをまとめていこう。


次回:振り返りとフェーズ2へ →