Webシステム発注初心者ガイド

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テストと検収―「動く」と「使える」は違う

「完成しました」連絡が来た

開発開始から4ヶ月後、C社のPM木村さんから連絡が入った。

「システムの開発が完了しました。テスト環境をご用意しましたので、ご確認をお願いします」

いよいよだ。と思いながら、テスト環境のURLを開いた。

触ってみたら動いてる!これでOKを出せるの?

ちょっと待ってね。「動く」と「使える」は別物なんだよ。

開発会社がやる単体テスト・結合テストは「機能が正しく動くか」を確認するもの。でも「実際の業務で使えるか」を確認するのは発注者側のテストの仕事なんだ。

これをUAT(User Acceptance Testing:受入テスト)と呼ぶよ。「開発会社が想定した動き」ではなく、「自社の業務フローに合っているか」を検証する大切なステップだね。


テストケースを作る

UATでは、事前にテストケースを作っておくことが重要だ。

「なんとなく触ってみる」では重要な問題を見落とす。

見積書作成のテストケース(例)

Noテスト内容期待する結果結果
1A社(掛率85%)を選択して品目を追加単価が定価×0.85で自動計算される
2品目を50行追加するエラーなく追加できる
3100万円未満の見積を申請営業リーダーを飛ばして部長へ直送
4承認者が不在の場合に申請代理承認者に通知が届く未確認
5PDF出力してメール送信添付ファイルが正しく届く
No.3が❌になってる……これって大問題じゃないの?

そう、これはバグだね。承認フローの条件分岐が正しく動いていない。

でもこれがUATをやる意義だよ。開発会社側のテストで「承認フローが動く」ことは確認されていても、「100万円未満でリーダーをスキップする」という自社固有のルールが正しく実装されているかは、発注者が確認しないと見つけられないんだ。

見つけたバグは必ずリストにして、C社に報告しよう。


バグ報告の仕方

バグは口頭で伝えるのではなく、再現手順とともに文書で報告する。

バグ報告の書き方

【バグNo.】 BUG-003
【発見日】  2026-08-15
【重要度】  高(業務フローに直接影響)
【画面】    見積書申請画面
【再現手順】
 1. 見積金額が80万円の見積書を作成
 2. 「申請」ボタンを押す
 3. 承認フロー画面を確認する
【期待する結果】
  営業リーダーを飛ばして営業部長へ直送されること
【実際の結果】
  営業リーダーへの承認依頼が送られてしまう
【スクリーンショット】
  (添付)
バグが出たとき、追加費用を請求されないかしら?

要件定義書に明記されていた仕様のバグなら、追加費用なしで修正してもらえるのが基本だよ。

ただし「要件定義書に書いていなかった機能の追加」は、バグではなく「仕様変更」として追加費用になる可能性があるから気をつけてね。

だから要件定義書をしっかり作っておくことが、このタイミングで効いてくるんだ。「書いてある通りに動いていない」は明らかにバグ。「書いていなかったけど欲しい」は変更依頼、という区別を意識しよう。


再テストと検収

バグ修正後、再度テストを実施した。今度はバグリストの全項目が✅になった。

いよいよ検収(けんしゅう)だ。

検収とは「納品物を確認し、合格と判断してOKを出す」こと。検収完了のサインをした時点で、残金の支払いが発生する。

検収って、どういう書類を出せばいいの?

通常は検収書という書類をC社が用意してくれるよ。内容は「何を検収したか」「合格の判断基準は何か」「検収完了日はいつか」が書いてあるもの。

発注者がサインして返送すれば検収完了だね。

一度サインしたら後から「やっぱりここが違う」は通りにくくなるから、テストで問題ないことを確認してからサインしてね。急かされても、焦ってサインしないようにしよう。


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