Webシステム発注初心者ガイド
第7話
開発がスタートした―進捗管理のコツ
キックオフミーティング
契約から3日後、C社とのキックオフミーティングが開催された。
C社側はPMの木村さん、フロントエンド担当の田原さん、バックエンド担当の鈴木さんの3名。こちら側は自分と上司、営業部長が参加した。
主にこんなことを確認するよ。
- プロジェクトゴールの共有:何のために作るか、成功基準は何か
- スケジュール確認:マイルストーンと納品物の確認
- コミュニケーション方法の決定:定例MTGの頻度・使うツール・連絡窓口
- 質問・懸念点の洗い出し:お互い不明点を出し切る
「契約したから、あとはよろしく」ではなく、ここでプロジェクトの土台を固めるのがキックオフの目的だよ。
コミュニケーションの設計
今回決めたコミュニケーション方法は以下の通り。
| 種類 | 頻度 | 参加者 | ツール |
|---|---|---|---|
| 週次定例MTG | 毎週月曜15時 | PM同士 | Google Meet |
| 進捗報告書 | 毎週金曜 | 全員 | Googleドキュメント |
| 質問・相談 | 随時 | 担当者 | Slack(専用チャンネル) |
| 仕様変更の協議 | 必要時 | PM+発注者 | 対面またはMeet |
毎回参加が理想だけど、最低でもPMとして窓口になる人は参加した方がいいよ。
開発中に「この仕様ってどっちの意味ですか?」「この機能は優先度を下げていいですか?」という判断を求めてくる場面が必ずある。判断できる人が毎回いないと、開発が止まったり、勝手に判断されて後から「違う!」となったりするからね。
開発中に発生した仕様変更
開発が始まって3週間後、最初の「変更したい」が発生した。
営業部長から「やっぱり、見積書の PDF に会社のロゴを入れてほしい」という要望だ。
「小さい変更」でも、正式なプロセスを踏むことが大切だよ。
変更依頼は必ず書面(チャットでもOK)で記録して、C社に「工数と費用への影響を確認」してもらってね。「ついで感覚」で口頭でお願いして、「あれ、契約外でしたよね?」となるのが一番困るから。
今回のロゴ追加は工数的に小さく、今回の見積内で対応可能とのことで助かった。でも、「変更は記録する」習慣はプロジェクト全体を通して徹底しておこうね。
進捗確認のポイント
開発中の週次MTGでは、毎回「進捗報告書」をもとに話し合いをした。
進捗報告書で確認したこと
- 予定通りに進んでいるか:遅れているタスクはどこか
- 遅れの原因と対策:仕様確認待ち?リソース問題?
- 次週のマイルストーン:来週何が完成するか
- リスク項目:まだ解決していない課題はあるか
- 発注者に判断を求めること:今週中に回答が必要な質問
怒るのは逆効果だよ!開発会社との関係が悪化して、報告をしなくなるリスクがある。
正しい対応は「なぜ遅れているか」と「どう挽回するか」を一緒に考えることだね。
遅れの原因が「発注者側の仕様確認が遅かった」なら、こちらが改善すべきだし、「開発会社の見積もりが甘かった」なら、スケジュール全体の見直しが必要。
遅れを早く報告してくれる開発会社は信頼できる証拠なんだ。隠したり、ギリギリになって報告する会社の方がよっぽど危ないよ。
中間デモを見た
開発開始2ヶ月後、中間デモの機会があった。
まだ見た目は荒削りだったが、「製品マスターから品目を検索して見積書に追加する」という基本的な動きが画面上で動いているのを見て、思わず「おおっ」と声が出た。
今すぐ言うべき! これが中間デモの最大の目的だよ。
「完成してから気づいた」だと修正コストが数倍になるんだ。画面レイアウト・操作の流れ・表示される情報の種類など、気になった点はすべてメモしてその場でフィードバックしてみてね。
「大筋はOKだが、この項目の表示順を変えてほしい」「このボタンはもっと目立つ位置に」といった指摘は、この段階なら追加費用なしで対応してもらえることが多いから、遠慮しないで伝えよう。