Webシステム発注初心者ガイド
第5話
開発会社の探し方・選び方
どこに頼めばいいのか
要件定義書がまとまったところで、次は「どの会社に頼むか」だ。
知り合いのルートも紹介もない状態から探すとなると、どこから手をつければいいかわからない。
検索もひとつの方法だけど、よく使われるルートはこのあたりだよ。
- 知人・取引先からの紹介:信頼性が高く、最もトラブルが少ない
- 発注ナビ・比較サイト:要件を入力すると複数社からの提案が届くサービス
- クラウドワークスやランサーズ:フリーランスや小規模チームへの発注向け
- IT企業向け展示会・セミナー:名刺交換から始めるルート
今回のような「基幹システム連携あり・承認フローあり」の案件は、実績のある開発会社に頼むのが安心だね。発注ナビ系のサービスで「Webシステム開発」「業務システム」のカテゴリで探すとヒットしやすいよ。
RFPを作って送る
開発会社への依頼にはRFP(Request for Proposal:提案依頼書)を使う。
要件定義書をそのまま送るのではなく、「何を提案してほしいか」をまとめた依頼文書だ。
RFPの主な内容
- 会社・プロジェクトの概要:どんな会社で、何を作りたいか
- 要件定義書(添付):スコープ・機能・フロー
- 予算感:明示するか「要提案」とするかは状況次第
- 納期:希望するリリース時期
- 選定スケジュール:提案書の提出期限・選定完了予定日
- 質問対応:担当者連絡先、質問受付期間
予算感を伝えた方が、現実的な提案が来やすいよ。
「予算は教えない→安い提案が来る」は誤解で、実際は「相場もわからないまま提案するので的外れになる」か「高めに見積もって余裕を持たせる」かのどちらかになりがちなんだ。
ただし、あまり詳細な予算を伝えると「その金額いっぱいまで使われる」リスクもある。「概算300〜400万円を想定しているが、提案内容次第で検討する」程度の伝え方がバランスいいね。
3社から見積が届いた
RFPを送ったところ、3社から提案書と見積が届いた。
| 会社 | 見積金額 | 開発期間 | 体制 |
|---|---|---|---|
| A社(中規模SIer) | 480万円 | 5ヶ月 | PM+エンジニア3名 |
| B社(Web制作会社) | 290万円 | 4ヶ月 | ディレクター+エンジニア2名 |
| C社(受託開発専門) | 380万円 | 4.5ヶ月 | PM+エンジニア2名 |
金額が違うのは当然で、理由はいくつかあるよ。
- 見積もった範囲が違う:A社は保守・運用費も含んでいるかもしれない
- 使う技術が違う:既存フレームワークを使う会社は安くなりやすい
- リスク見込みが違う:仕様が曖昧な部分を多めに見積もる会社もある
- 会社の規模・人件費が違う:大手ほど人件費が高い
価格だけで選ぶのは危険なんだ。「なぜその金額になっているか」を理解することが大事だよ。
提案書で見るべきポイント
価格だけでなく、提案書の中身を読み込む。
チェックリスト(開発会社選定)
- 要件の理解度:こちらの要件をちゃんと読んで回答しているか
- 類似実績:業務システム・基幹連携の経験があるか(事例を確認)
- 開発プロセス:どんな手順で進めるか説明があるか
- テスト・品質管理:テストの方針はどうか
- コミュニケーション方法:定例MTG・進捗報告はどのくらいの頻度か
- 保守・サポート:リリース後のサポート体制はどうか
- 担当者:実際に開発する人物と打ち合わせできるか
「同じ業種・同じ規模・同じような機能」を作った経験があるかを確認してみよう。
「Webシステム開発経験あり」だけでは不十分なんだよね。たとえば「製造業の業務システム・承認フローあり・外部DB連携あり」みたいな案件をやったことがあるかどうかが重要だよ。
実績を聞くときは「どんな課題を持った会社に、何を作ったか」まで深掘りしてみて。公開できない案件はNGでも「似たような規模感の案件」の話を聞けることが多いから。
ヒアリングして決める
提案書を読み込んだ後、3社とヒアリングの場を設けた。
B社は価格は魅力的だったが、「承認フローの条件分岐は標準機能でカバーします」という曖昧な回答があり、後で「標準ではできませんでした」となるリスクを感じた。
A社は実績は豊富だが、担当PMが複数案件を掛け持ちしており、コミュニケーション頻度が月2回という点が不安だった。
C社は価格・実績・体制のバランスが良く、実際に開発するエンジニアも同席して技術的な質問に答えてくれた。
C社に決定した。
その前に、契約の種類を理解しておくことが大事だよ。
システム開発の契約には大きく2種類あるんだ。どちらで契約するかによって、費用・リスク・責任の所在が全然変わってくる。次回はそこを詳しく見ていこうね。