DX(デジタルトランスフォーメーション)と、SI(システムインテグレーション)と何が違うのか?

はじめに

DX(Digital Transformation)は、デジタル技術を活用してビジネスモデルや組織そのものを変革し、新たな価値を生み出すことです。

ただのIT導入ではなく、企業の在り方や提供するサービス自体を革新するのが特徴です。

顧客体験、業務プロセス、製品やサービス、さらには組織文化や経営戦略まで、幅広い領域が対象になります。

1. SI(System Integration)との違い

SIは、既存の業務やビジネスモデルをそのままシステム化することに重点を置いています。

一方、DXは、ビジネスモデル自体を根本的に見直し、新しい価値を提供するための変革です。

SIDX
目的業務効率化やコスト削減新しい価値創造や競争優位の獲得
アプローチ現状をベースにシステム化するビジネスモデルを再構築する
技術活用現行業務を補完するツールとして活用新たなサービスや価値を創出する手段
ERP導入、基幹システムの統合UberやAirbnbのような新しいサービス
SIとDXの主な違い

2. DXであるもの、DXではないもの

2.1. 顧客サービスの例

SIの例DXの例
目的顧客対応の効率化顧客体験そのものを変革
コールセンターにCRMを導入して効率化- FAQページの作成AIチャットボットで24時間対応し、個別化された回答を提供
顧客データをもとにパーソナライズした商品提案

2.2. 販売チャネルの例

SIの例DXの例
目的オンライン販売の追加販売方法全体を変革

既存商品をECサイトで販売開始
サブスクリプション型サービスを新規展開
ECサイトで購入履歴から次回購入を予測して自動リピート注文を提案

2.3. 業務プロセスの例

SIの例DXの例
目的業務の効率化業務自体の価値や形を変える
手作業の入力をRPAで自動化IoTを活用してリアルタイムに生産工程を監視し、AIで最適化する仕組みを導入

2.4. 製品・サービスの例

SIの例DXの例
目的製品の改良新しいビジネスモデルを構築
スマートフォンに新しい機能を追加スマートフォンを通じてサブスクリプション型のヘルスケアサービスを提供

2.5. 小売業の例

SIの例DXの例
目的現場オペレーションの効率化買い物体験そのものを変える
POSシステムを最新化レジなし店舗を導入し、アプリ連携で完全自動化された買い物体験を提供

2.6. 人材育成の例

SIの例DXの例
目的教育プロセスの改善教育の方法やゴールそのものを変える
社内研修用のeラーニング導入社員が自ら学び成長する仕組みを作るため、VR/ARを使った体験型トレーニングやAIコーチングを導入

ポイント

DXは単に既存業務を効率化するだけでなく、顧客や市場のニーズを起点にビジネスの在り方そのものを再構築する取り組みです。

一方、DXではないものは、既存の仕組みや価値観の枠内での改善や効率化にとどまります。

この違いが、企業の将来における競争力を大きく左右します。

DXに関するご提案の機会をいただけるようでしたら、ぜひ弊社までご相談ください。

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