概要
会社でエンジニアにMacを貸与する際、よく議論になるのが「メモリはどれくらい必要か?」という問題です。
SNSや技術系のコミュニティでも、「エンジニアに、ロースペックのMacを使わせるのは人権侵害だ」というような極端な意見まで飛び交い、賛否両論があるのが現状です。
そこで本記事では、現実的な視点からエンジニアにとっての最適なメモリ容量を考察します。
結論:16GBが最適
結論から言えば、多くのエンジニアにとって 16GBが最適 です。
理由としては以下の点が挙げられます。
- 8GBでは不足する場面が多い
- 32GBは快適だがコストが高い
- 計画的なアップデートの方が重要
それぞれ詳しく見ていきましょう。
8GBでは足りない
近年のMacはメモリ管理が優秀とはいえ、8GBでは厳しい場面が多くなります。特に以下のような使い方をする場合、すぐにメモリ不足に陥ります。
- Dockerの起動:コンテナを複数動かすと、メモリを大量に消費する。
- IDEの利用:VS CodeやJetBrains製品を使いながら、ブラウザでドキュメントを開くとカツカツになる。
- ブラウザのタブを大量に開く:開発中のデバッグや調査で、ChromeやSafariのタブが増えるとメモリ消費が加速する。
- 仮想環境の利用:VirtualBoxやParallelsなどの仮想マシンを動かすと、ほぼ確実にスワップが発生する。
このように、開発環境では 8GBでは足りないことが多く、ストレスを感じる場面が増える ため、おすすめできません。
32GBは快適だがコストが高い
一方で、32GBあれば とても快適 なのは間違いありません。
- Dockerや仮想環境を余裕で動かせる
- 複数のIDEを同時に起動しても快適
- 大規模なデータ分析や機械学習でも耐えられる
ただし、問題は コスト です。MacBookの場合、メモリを16GBから32GBに増やすと 数万円の追加コスト が発生します。
個人で買うのとは違い、会社では社員数だけ必要になりますので、結果的にコストが数百万アップすることになります。
「余裕を持って32GBにしておこう」という考え方もありますが、コストパフォーマンスを考えると 16GBで十分 という結論になります。
それよりも計画的なアップデートが重要
メモリ容量にこだわるよりも、 2年ごとの計画的なアップデート を意識する方が重要です。
例えば、32GBのメモリを搭載したMacを5年間使うよりも、16GBのMacを2〜3年ごとに買い替える方が、
- 最新のチップやGPUの恩恵を受けられる
- バッテリーの劣化を防げる
- リセールバリューが高いうちに売却できる
といったメリットがあります。
特にAppleシリコン(Mシリーズ)の進化は速いため、 長く使うよりも定期的に買い替えた方が結果的に快適に作業できる 可能性が高いです。
まとめ
- 8GBは足りない。DockerやIDEを使うとすぐに限界。
- 16GBが最適。ほとんどのエンジニアの作業には十分。
- 32GBは贅沢。快適だが、コストが高い。
- 長期間使うよりも、定期的なアップデートが重要。
Macのメモリ選びで迷っている方は、 16GBを選び、2〜3年ごとにアップデートする のが賢い選択肢でしょう。